社に鳥居、海の幽霊まで。富士山を見ながら潜る、静岡「大瀬崎」

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2019/07/10

泳ぐ姿が、とてもキュート。マツカサウオの子ども

ガレキの下は幼魚の格好の隠れ家。マツカサウオ(約3cm)

イソギンポが住むミニ漁礁の近くのガレキの下には、マツカサウオの子どもが隠れていました。名前の由来はその姿から。松ぼっくり(松かさ)に似ているのでマツカサウオです。英語名もマツカサを意味するpinecone fishと呼ばれています。

目の下の部分に発光器があり、多くの水族館で「光る魚」として展示されています。暗い水槽の中で蛍光を発している姿を見たことがある方もいるかもしれませんね。

魚は、幼魚と成魚で全く違う形のものもいますが、マツカサウオは 目立った変化は見えません。大人と同じ姿をした小さな体で岩礁の下をちょこちょこと泳ぐ様子はなんとも可愛らしいものです。

とても小さな可愛いドラゴン、ウミテング

ハチドリにも見える可憐な姿のウミテング

さらに岸に向かって泳いでいると、水深10mくらいの砂地の海底を、鼻の長い羽のようなヒレを広げた生物が横切りました。ウミテングです。

英語では、ゴツゴツした体格からLittle dragonfishとか舞うように泳ぐので、海の蛾、Sea mothと呼ばれています。出会ったウミテングは5cmくらい。大きくなっても10cmまでの小さな可愛いいドラゴンです。

少年忍者、岩陰で発見!クマドリカエルアンコウ

頭部の真ん中に小さなエスカが見える

海底を岸に向かってしばらく行くと、大きな岩が現れました。オーバーハングの下をよく観察すると、海藻と海面の間にクマドリカエルアンコウを発見しました。派手な模様と色彩が、かえってカモフラージュ効果を高めているのが不思議ですね。

2cmにも満たないこのカエルアンコウは、隠れ上手の少年忍者といったところでしょうか。カエルアンコウは頭部にエスカ(疑似餌)のついた釣竿のような装置を持っています。この小さな体でどんな魚を釣るのか、ぜひ見てみたいものです。

幽霊のように現れては消えるカミソリウオ

枯葉にそっくりなカミソリウオ

これだけ見てまわると、そろそろスクーバタンクの空気も少なくなってくるので、浮上準備に入りましょう。海底を岸の方にたどっていくと、水深5m程度から高さ2mくらい立ち上がる岩壁に突き当たります。

大瀬崎はかつて水害にあった海岸を修復、玉砂利を入れて作り上げた人口のビーチで、岩の壁は砂利が流れ出すのを防ぐために造られたものです。


カミソリのようにうすい体は、真上からだとさらに見つけにくい

ダイバーは水面に戻る前に水深5mのところで5分間停止します。この間が結構退屈なのですが、大瀬崎は一味違います。

岩肌を観察していると木の葉のようにフワリと漂うものに気づきました。カミソリウオです。名前の通りとても平べったい体をしており、バックの岩に同化して、目を離すと再び見つけるのに苦労します。英語名はGhost pipefish。まさに海の幽霊です。

安全停止の時間までしっかり楽しめる大瀬崎。可愛い海の生き物たちへ会いに、潜ってみてはいかがでしょう。

  • 大瀬崎
  • 静岡県沼津市西浦江梨993 富士箱根伊豆国立公園 西伊豆 大瀬崎
  • 055-942-3052
  • 大瀬海浜商業組合
  • image by:大谷徳幸
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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水中写真家/ドローンパイロット/ライター。1957年大阪生まれ、三重県在住。紙媒体退職後、スキューバ・ダイビング関連の情報を中心にFacebookやBlogで海外向けに発信中。

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