闇と光を楽しむ夕涼み。ライトアップされた幻想的な「ムーミン谷」
2019年3月にオープンした「ムーミンバレーパーク」。オープンラッシュも徐々に落ち着き、そろそろ遊びに行きたいと思っている人が多いのではないでしょうか。
そんな人気のテーマパークと一緒に訪れたいのが、同じ埼玉県飯能市にある公共の公園「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」です。
まるで物語の世界。「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」
ここは「ムーミン」の原作者である、北欧の童話作家のトーベ・ヤンソンさんの想いが詰まった公園。
フィンランドに住むヤンソンさんと何度も手紙をやり取りし、「自然との共生、自我と自由の尊重」というコンセプトのもと、1997年7月にオープンしました。広さは甲子園球場2つ分の約7万6000平方メートル。公園全体が山の斜面に造られています。
公園の中には滝や川、森などがあり、自然を活かした造り。北欧の雰囲気が感じられる造形物があちこちに置かれ、物語世界に入り込んだような、どこか懐かしい気持ちになれます。
危ないからと川や池に柵を付けて行動を制限するのではなく、子どもの冒険心を刺激しながら学べるスポット。生き物や草花などの自然と親しみながら、子どもも大人も自由に時間を過ごせる場所。そんなヤンソンさんの考えが反映されたこの公園は、「ムーミン」の物語の世界観にも通じるところがあります。
そんな「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」がライトアップにより、夜にも楽しめるようになりました。
灯りがともった森はとても幻想的な雰囲気。公園のシンボルともいえる「きのこの家」のそばには、たくさんのランタン照明を飾り付けたシンボルツリーを配置。ギャラリーカフェの「カフェプイスト」のそばには月をイメージした光のベンチが、あたたかな灯りをともします。
6ヵ所の写真撮影スポットでは、カメラマークの上に立つと、顔にちゃんと照明が当たって、記念撮影をすることができます。しかも森の小路には5ヵ所のレンズスポットがあり、足下にリスや花などのかわいい模様を映し出してくれます。この模様はシーズンごとに変更する予定だとか。
夜の公園を散策しながら、いろいろなスポットを探して冒険するのは、ドキドキ・ワクワク。「ムーミン」の物語の中でも、夜のお祭りに出かけてしまったミイとスノークのお嬢さんを、ムーミントロールが追いかけるストーリーがあります。
夜の闇は怖いけど、不安と興味を戦わせながら散策するのは、子どもだけじゃなく、大人も楽しめることでしょう。
ライトアップは土曜・日曜・祝日の日没から21時まで。きのこの家や森の家、子ども劇場も開放されるので、中に入って遊ぶことができます。
なかでもきのこの家は、キッチンや暖炉があり、屋根裏部屋や地下室まであるなど、ムーミン屋敷を彷彿とさせる造りになっています。
そして森の家の1階はトーベ・ヤンソンに関する資料展示コーナーになっていて、「ムーミン」のキャラクターなど、さまざまな資料を展示。2階は図書コーナーで、自由に読書を楽しむことができます。
そして子ども劇場は、コンサートやいろいろなイベントが行われるホールになっています。
「トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」を訪れるときには、夕暮れどきから刻々と移り変わる雰囲気を楽しむのがおすすめ。
なかでもわんぱく池の奥から公園の全景を眺めると、手前に水浴び小屋と桟橋が見えて、まるで本当のムーミン谷にいるような気分にさせてくれます。幻想的な景色を眺めながらの夕涼み。最高のビュースポットを求めて、ぜひ足を伸ばしてみてください。
- トーべ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園
- 埼玉県飯能市大字阿須893-1
- 042-972-7711
- 西武池袋線「元加治駅」より徒歩約20分
- 無料
- 休園日:月曜日(祝日の場合はその翌平日)
- 開演時間:9時~17時(季節によって変更あり)、ライトアップ:土日祝 日没~21時
- 公式サイト
- 駐車場:乗用車253台・バス6台(市民体育館、ホッケー場と共用)※入園、駐車場無料。
- 取材・文/綿谷禎子
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。