レトロな浪漫風呂も。日本全国の「名建築と名湯」を楽しめる温泉4選
世界屈指の「温泉大国」として知られている日本。歴史的な文献にも温泉が数多く登場するように、日本国民は古くから温泉に親しんできました。
そのため実は、古くからある「名湯」には建築物としての評価も高い「名建築」とされる湯屋も多く残されています。今回は、名湯に浸かりながら趣深い建築物も楽しめる、老舗の温泉施設を紹介していきましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
酸ヶ湯温泉旅館(ヒバ千人風呂)/青森県青森市
青森県青森市の「酸ヶ湯温泉旅館」にある、160畳もの巨大な大浴場「ヒバ千人風呂」。その名の通り、1000人は入れそうな巨大な温泉小屋のような空間は「ヒバ造り」で建設されており、柱が1本もありません。
湯場内には、「熱湯」「冷の湯」「四分六分の湯」「湯滝」と、異なる4つの源泉が楽しめる浴槽があります。
豊富な湧出量や大きな収容施設に加え、交通の便がよく料金も手軽なことから「国民保養温泉地第一号」に指定されたことでも知られています。
- 酸ヶ湯温泉旅館
- 青森県青森市荒川南荒川山 国有林酸湯沢50番地
- 公式サイト
法師温泉 長寿館(法師乃湯)/群馬県みなかみ町
群馬県みなかみ町にある温泉宿「法師温泉 長寿館」。大浴場のある湯屋「法師乃湯」は、1895(明治28)年に建てられた100年以上の歴史を持つ「鹿鳴館様式」の建物です。
弘法大師が発見したと伝えられており湯屋内にある4つの浴槽の下には玉石が敷き詰められており、その間から純度100%の源泉が自然湧出します。
泉質は、無色透明のカルシウム、ナトリウム硫酸塩泉(石膏泉)。浴槽ごとに若干温度が異なりますが、おおよそ43度ほどで胃腸や火傷、動脈硬化などに効果があるのだそう。
午後8時〜午後10時までは女性専用の入浴時間ですが、それ以外の時間は混浴となっているので注意が必要です。
- 法師温泉 長寿館
- 群馬県利根郡みなかみ町永井650
- 公式サイト
四万温泉 積善館(元禄の湯)/群馬県中之条町
群馬県中之条町にある温泉宿「四万温泉 積善館」。1691(元禄4)年に建てられた本館は日本最古の木造湯宿建築として、群馬県の重要文化財に指定されています。
そのなかにある湯「元禄の湯」は、1930(昭和5)年に建てられた洋風でモダンなつくりのレトロな大浴場。国の重要文化財にも指定されています。石造りの5つの浴槽に、自然湧出の源泉が直接にかけ流されるなど、当時としてはかなり贅沢な造りになっているのも特徴です。
温泉宿は、本館以外にも国の登録文化財および群馬県近代化遺産に指定されている「山荘」「佳松亭」と3つの建物があり、個性の異なる佇まいで私たちを迎え入れてくれます。
- 四万温泉 積善館
- 群馬県妻郡中之条町四万温泉
- 公式サイト
金具屋(浪漫風呂)/長野県山ノ内町
長野県山ノ内町にある温泉宿「歴史の宿金具屋」のなかでも、最も古い源泉として知られる「浪漫風呂」。
1950(昭和25)年に作られた大浴場は、ローマの噴水を模して造られており、周囲をステンドグラスが囲むなど、とても温泉とは思えない洋風な作りとなっています。浪漫風呂は、鉄分が多い泉質から黄色がかった濁った色合いになっているのが特徴。戦前には「泥の湯」として親しまれていたのだそう。
浪漫風呂を含め3つの大浴場が用意されていますが、それぞれ泉質が異なるため、気分によって入るお風呂を変えられるのも嬉しいポイントです。
また、宿泊棟の「斉月楼」は、国の登録有形文化財に認定されている歴史ある建築物。現役の宿泊施設として現在でも稼働している、貴重な施設です。
- スポット詳細記事
- >>>まさかの泊まれる登録文化財!長野・渋温泉の「金具屋」でタイムトリップ
- 歴史の宿金具屋
- 長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
- 公式サイト
名湯に浸かりながら、歴史のある建築物も楽しめる。まさに一挙両得の温泉施設をご紹介しました。風情ある名建築に囲まれながらだと、温泉の効能以上に癒やされそうですよね。
日ごろのストレスを忘れてゆっくりしたいという方は、名湯をめぐる旅行を計画してみてはいかがでしょうか。
- image by:Photo AC
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