ホテルや宿の枠を超えたニュースタイル。長野・浅間温泉「松本十帖」

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2022/11/26

2022年の夏、人気宿としてたびたびメディアに登場する新潟の「里山十帖」や箱根の「箱根本箱」を手掛ける『自遊人』プロデュースによる4つ目の宿泊施設「松本十帖」がグランドオープンしました。

すでに「松本十帖」の名前は雑誌や旅行サイトで広く知られる存在だったので、「グランドオープン」の響きに首をかしげた方もいらっしゃるかもしれません。

実は私もそんなひとり。調べてみたら、「松本十帖」は2020年7月に一部施設をプレオープン、あいにくのコロナ禍タイミングと重なり、その後すべての施設のグランドオープンがようやく今年7月に行われたという次第。

ということで、今回は満を持してのグランドオープンとなった「松本十帖」の全貌をお届けしたいと思います。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

松本の奥座敷に誕生したストーリーが生まれるホテル「松本十帖」

浅間温泉の湯の町通り。image by:photolibrary

「松本十帖」があるのは、長野県のJR松本駅から5kmほど北に位置する松本の奥座敷「浅間温泉」。温泉地の歴史は古く、飛鳥時代にまでさかのぼると伝わります。

そんな由緒ある地にて創業336年の歴史を持つ老舗旅館「小柳」の再生プロジェクトとしてスタートしたのが「松本十帖」。「松本十帖」という名前の宿があるのかと思いきや、実はプロジェクトの総称なんですね。

シンプル&モダンな「松本本箱」のエントランス。image by:小林繭
足元にはプロジェクターに映し出されたロゴマークが。クルクル回ってクラブみたい!image by:小林繭

敷地内には老舗旅館をリノベーションした「小柳」と「松本本箱」の2つのホテルに加え、本箱の名前のとおりブックストア雑貨や食品を扱うショップと焼きたての美味しいパンが並ぶベーカリーレストランハードサイダー醸造所があります。

さらに敷地外にも「おやきと、コーヒー」「哲学と甘いもの。」という2つのカフェも。その敷地外の施設までをも総称して「松本十帖」と呼んでいます。


古民家をリノベした佇まいが素敵な「おやきと、コーヒー」image by:小林繭
チェックイン時に供されるおやき。コーヒーの代わりにシードルをセレクト。image by:小林繭

面白いのが、宿泊の際のチェックインは「小柳」でも「松本本箱」でもなく、「おやきと、コーヒー」で行うこと。宿泊者はまず「おやきと、コーヒー」に立ち寄りチェックインを行い(その際にもちろんおやきとコーヒーがいだけます!)、それから町なかをぷらぷらと歩き、宿泊するホテルへ向かいます。

ところどころにノスタルジックな雰囲気が残る浅間温泉の町並。image by:小林繭

これは、「松本十帖」のコンセプトがホテルリノベーションではなくエリアリノベーションにあるゆえのデザインで、宿泊者が浅間温泉を自然に散策するように施設配置がなされているから。

そして、カフェはもちろん、ホテル棟にあるブックストア、レストラン、ショップも宿泊者でなくとも利用できるので、浅間温泉においてホテル全体が開かれた存在としてデザインされていることに注目。

なるほど、自遊人がてがけると老舗旅館もこんな変貌を遂げるのか、とこれまでの旅館にはなかった新しいコンセプトに納得です。

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