廃線を自転車で走る。紅葉の時期に楽しみたい岐阜県「ガッタンゴー」

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2019/10/12

鉄道のトンネル内を生身の体で通過する

image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

ガッタンゴーの魅力はもちろん、神岡という高地の冷たい風を肌で感じながら線路を自走するアクティビティそのものにありますが、一方で身近な鉄道の仕組みを、肌で体感できる点にも興味が尽きません。

子どもが電車ごっこをするとき、誰もが「ガタン、ゴトン」と口にします。思えばどうしてガタン、ゴトンというのか、はっきりと答えられない大人も少なくないのではないでしょうか?それは線路の真上から肉眼でレールを眺めつつレールマウンテンバイクを走らせると、その仕組みがわかります。

進行方向の右と左で交互にレールの継ぎ目が規則的に出てくるため、その継ぎ目を片側2つの車輪の路面が乗り超えるたびに、ガタン、ゴトンと音が響いて、硬い衝撃が車体に返ってくるのです。

image by:photoAC

鉄道のトンネルにも、車道用のトンネルとは異なる特徴があります。車道用のトンネルはドライバーの安全を考えて照明が設置されていますが、鉄道用のトンネルは真っ暗です。

しかも曲線のトンネルの場合は、出口が見えないために正真正銘の暗闇が待ち構えています。その中をレールマウンテンバイクで通過する際には、生身の体で暗闇をくぐり抜けなければいけないのです。

トンネル内は空気も変わり、音の響き方も変わります。何気なく通過する電車のトンネル構内も、限られた自転車のライトを光源に、じっくり眺められて興味深いです。ほかでは得られないチャンスですので、周辺の景色と共にトンネル内も楽しみたいですね。

安全面もきちんと配慮されているガッタンゴー

image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

ガッタンゴーは車両の台数、1回で線路を走れる車両の数が決まっていますので、完全予約制です。こぎ始める前は多少緊張するかと思いますが、事前の講習会のような時間もありますし、最後尾の車両の後ろにはレールマウンテンバイクならぬ、レールホンダカブに乗ったスタッフの方が、追走してきてくれます。年配のスタッフの方が多い分、みなさん世慣れた感じで、参加者の緊張を軽妙なトークでほぐしてくれます。

最後尾をスタッフがバイクで追走してくれる image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

折り返し地点ではスタッフの方に任せておけば、車両の進行方向を整えてくれますし、線路の途中ではプロのカメラマンによる写真撮影スポット(乗車したまま)も用意されています。体ひとつで行って、安全に楽しめる気軽さがきちんと確保されているので安心です。

ただ、これからの時期は寒さ対策が必要です。秋の深まりとともに、平野部では想像もできないような冷え込みが予想されますので、防寒対策は十分に整えておきたいです。


特にファッションを意識して肌の露出を諦めたくないような若者たちは、帰り道にみんな、青白い顔になっていました。往復をきちんと楽しむためにも、衣服には十分注意してくださいね。

  • image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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