電車でカタコト♪あの町この町 丹鉄久美浜駅 〜久美浜を歩く〜

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2019/11/27

京都一の豪商は久美浜にあった!

本日、最初に訪れたのは豪商稲葉家。訪れるのをとっても楽しみにしていました。こちらは京都で一番の豪商との異名を持つ稲葉本家住宅が見学できるだけでなく、同家名物の「ぼた餅」、丹後名物の「ばら寿司」もいただけます。

支配人さんに伺ったところ稲葉家の初代は武田信玄に抗して敗れこの地に移り住んだ、または久美浜の城主・松井康之と共に美濃の國から来たともいわれています。松井康之?どこかで聞いたような…あ!以前、磯田道史先生に明智光秀の話を伺った時に出てきた武将ではありませんか。光秀と同じく細川幽斎に使えていたけれど折り合いが悪かった、あの松井さん! そして後に主君の息子・忠興と光秀の娘・ガラシャの縁組を進めた人物。あの方が久美浜のお殿様でしたか~!

主人の自室

稲葉家はその後、麹の製造や回船業などで巨富を築きました。また、江戸時代中期、久美浜が天領(江戸幕府の直轄地)になったことから代官陣屋がおかれ、代官所のお金を預かる掛家(かけや=幕府・諸藩の公金出納を扱った商人)も営んだのだそうです。

現在の母屋は、12代目当主により明治18年から5年もの歳月をかけて建てられたもの。この奥座敷の庭は京都の円山公園のしだれ桜を始め全国の名桜を守る「桜守」として知られる佐野藤右衛門さんの作庭です。

廊下を見ると奥へと長い様子が分かります。箱階段を上って2階へ。

2階は13代当主・市郎右衛門さんが村長のお嬢さんと結婚した時、新婚用の部屋として新築されたもの。天井は正目の秋田杉、床柱は四方正目のヒノキ柱。当時のお金で1648円97銭5厘、東京で1軒家が建つぐらいの金額だったんですって!!

そして2階からの眺めもいいんです。こんな瓦屋根の景色はなかなか見られないですよね。

さて、1階へ降りまして江戸時代に建てられた「吟松舎(ぎんしょうしゃ)」へ。この書院造の奥座敷は大名や久美浜代官、近世では西園寺公など、そうそうたる方々が訪れた立派な部屋です。

注目すべきは、この釘隠し。恐れ多くも「二葉葵」なんです。この建物は江戸時代に多くの大名や代官書のお殿様等が接待された場所、非常に格式のある建物となっていて、釘隠しに双葉葵が使用されているんですって。


玉露セット550円。優しい甘さ

この立派なお座敷で、ぼた餅とばら寿司がいただけます(テーブル席もあり)。なぜ、ぼた餅が稲葉家名物なのかというと、かつて稲葉家では飢饉の時に近隣の人々にふるまったり、13代当主が私財を投げ打ち人々の願いだった久美浜・豊岡間の鉄道を開通させたとき、お祝いにふるまったのだとか。支配人さんに伺うと「毎年11月23日には地元の人による“ぼたもち会”を開き稲葉家当主を偲ぶんです。私の父も祖父もみんなこの会に参加していました」とのこと。

みなさん稲葉家に助けられた恩を忘れないようにされているのですね。お味は、とっても優しい味。そして、ぼた餅を作っているお母さんの家で栽培したもち米を100%使っているので餡子だけでなくて、もち米も美味しかったです。

丹後のばら寿司定食(ぼた餅1個付)1,100円 予約がおすすめ

こちらは京丹後名物のばら寿司。特徴は鯖缶を炒ってそぼろにすること。家毎の味があるのですが、お母さんの味のポイントは青シソをいれること。炒ってカリっとなったそぼろの食感と青シソの風味が上品でした~♪

京丹後のパワースポットへ

さて、稲葉本家を満喫し、続いては神谷太刀宮神社へ。丹波道主命を主祭神とした全国唯一の神社です。この丹波道主命の持っていた「国見の剣」が久美浜の地名の起こりとなったともいわれています。

そして道路を渡ったところに立つのが八幡神社神谷磐座(写真)。この磐座のあまりの存在感と突然現れた巨石にびっくり&恐れをなして立ち尽くしてしまいました。これは古代祭祀の跡ではないかといわれていて「約4,000年前のエジプトのピラミッド文明やシュメールの文明と同じように星や太陽を信仰していたことが伺えます」とありました。

驚くべきは、この石には北に向けて2つの垂直なスリット(割れ目)があり、北極星信仰をしていた古代の人は、この割れ目の延長上に現れる北極星を観察していたのだといわれています。

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