京都迎賓館でセレブ気分満喫! プレミアムツアーに参加してみた
職人たちの心意気に「おもてなしの心」を感じる
途中、接遇の際、正座に慣れていない賓客にお茶のおもてなしをしたり、また随行者が賓客を待つ際の待合室として使われる非公開の「琵琶の間」を通り(非公開ゾーンは写真が撮れないのです 泣)、最初の見学個所へ。
ここは和食を提供する「和の晩餐室」。56畳の広さがあり、最大24名までの会食が可能なこの部屋では、京料理で「おもてなし」をします。一見、高級料亭みたいですね。
桐の間には、釘隠しや襖の京唐紙など、部屋の随所に「五七の桐」が使われています。
「桐の間」の名前は、日本国政府の紋章であり、京都迎賓館の紋章でもある「五七の桐」を主要な装飾のモチーフとしていることに由来するそうです。
中央に据えられた美しい座卓は長さ12mという、とても長いもの。座卓の下は掘りこたつになっているそうなので、これなら海外の方も安心。
地の木組みも素晴らしいのですが、見ものはこの美しい塗り。漆を塗ったあと、光沢を出すために素手で磨いて鏡のように仕上げているんですって。静かな水面のような漆に庭の緑が映ってキレイ!
もちろん座椅子の塗りの美しさも必見です。座椅子の背の部分には一脚ずつ微妙に色が異なる桐紋の蒔絵が施されていました。
壁は白一色かと思ったら唐長さんの京唐紙。角度を変えると雲英(きら)が煌(きら)めきます。
さらに足元を見れば畳の真ん中に筋目が。これは中継ぎ表という昔ながらの技法が使われたものなんですって。穂先を中央で繋いでいるので中央5目だけ薄くタテ筋が入るのです。この畳を作るためにイグサの栽培から始めたのだとか。ちなみに1枚の畳表で使うイグサは通常は約4,000本ですが、こちらは1万本も使用。倍以上違う~!
このツアーでは実際に座り賓客と同じ目線で庭を眺めることができます。
3つ前の座卓の写真は、ここから撮ったもの。このほかにも床の間にかけられた掛け軸、掛け軸の表具、床の間飾り、欄間にほどこされた截金(きりかね・箔を細い線に切り、筆と接着剤で貼りながら文様を作る)など、もう素晴らしい作品ばかり。
この部屋1つだけで職人たちの技と心意気、最高のものを作りたいという本気の気持ちが伝わってきます。
ここから廊下を移動して訪れたのが非公開の「滝の間」。この部屋の庭には大自然を感じる滝が作られています。その石の重さ47トン! 瀬戸内海の犬島、白石島などから運ばれたものだそうです。
ガラス戸を開けるとゴーという轟音が聞こえてきました。アメリカのブッシュ元大統領も「テキサスの実家にいるみたいだ」とおっしゃったそうですよ。
京都迎賓館に、いや御苑内にこんな見事な岩滝があるなんて本当に驚きです。この部屋を見るだけでもプレミアムガイドツアーに参加する価値ありです!
さて、勇壮な滝の間を辞したあとは、京都迎賓館の中央に広がる池へ。
建物の向こうには御苑の樹々が生い茂り自然のなかにいるような廊橋からの眺め。京都迎賓館のコンセプト、庭と建物が一体となる「庭屋一如」の思想が良く分かります。
この池には和舟を浮かべることもできるんですよ。琵琶湖の丸子舟を造り続けてきた滋賀県の職人親子三代の手になるもの。材は野槙とヒノキと高級浴槽にも使われる材なので、きっと乗ると良い香りがするんだろうなあ。
お、和舟の前のサイネージにこちらの映像が。ブータンの国王夫妻もお乗りになったんですって。すてき~! ロマンチック!!この先にあるのが非公開の「水明の間」。池を眺めるこの部屋の段通(だんつう・ジュータン)は青海波模様。ランダムに波型カットすることで、実際に波打っているように「光と影」を表現するという素晴らしさ。
北海道産の栓(せん)の木を使った船底天井から下がるのは吉野杉と美濃和紙を使い、京指物の技を駆使したオブジェ。光ファイバーの灯を通すことで柔らかい印象です。ぜひぜひ、ご自身の目で見てください!