飯尾醸造の米作りから始める究極のお酢をご存知ですか?@京都府宮津市
わざわざ訪れたくなる「ハレの日」のレストラン
ところで飯尾醸造では2017年7月、宮津にレストラン「aceto(アチェート)」をオープンしました。街中にある120年前に建てられた商家をリノベーションした店内でいただけるのは、丹後の食材と飯尾醸造の酢を使ったイタリアン。お値段は7,500円~と地元ではちょっと高級志向のレストランです。
「元々は取材に来てくださったかたや、商談に来てくださったかたを案内できるレストランがほしかったんです。とくに海辺の町ですから良い寿司屋ないですか?と聞かれることも多くて。だったら自分で作ろう!と思ったのがきっかけでした」。
「宮津は山や海、昔からの文化、魚や米などの食材と都会にないものがなんでもある」と飯尾さんはいいます。
「でも素材はあっても町が疲弊すると観光客が少なくなり、町の人も外へ出るので人口も減ります。そうすると町にはハレの店がなくなって、ケの店ばかりになってしまいます。でもたまにはハレの料理も食べたいですよね。だからハレの日のレストランを作ろうと思ったんです」。
寿司店のオープンに向けて走ってもいますが、まずイタリアンがオープンしました。「良いレストランがあれば遠くからも人が来てくださいますし、うちはディナーがメインなので宮津で宿泊されます。そうすれば旅館にお客さんが増えます。また、近所にも増えていくかもしれません」。
ハレの日のレストランなので、手軽なパスタセットなどのランチはやらないのだとか。「それは近所のお店のお客さんをとってしまうことになりますしね。町にとってプラスになることをしたいですね」
町の未来を考え、町の魅力を発信する
それにくわえて、これまた3年前より「世界シャリサミット」を宮津で開催。「私は寿司が大好きで、いろいろ食べ歩いているのですが、寿司の町というと、やはり銀座や金沢などにはかないませんよね。でもシャリの町だったらなれるかなと」。いわば、お酢屋さんによる理想の寿司のための“理想のシャリ作り”を学ぶサミットです。
2回目は、日本は元よりサンフランシスコや香港など世界から寿司職人約50人が参加。なかにはミシュランで星を獲得した職人も参加し、飯尾さんの講演をはじめ寿司職人の講演、実演などにくわえ飯尾さんが「この人!この会社!」と思う、しょう油、海苔、ほうじ茶店のブースがあったり、試食ができたりと1日で10年分ぐらいの知識が得られると大好評でした。
もちろん今年も開催を予定。「うちを介して知らなかった海苔店と出会ったり、寿司店同士が仲良くなって情報交換したりと、みんなにとって、うちがハブになればいいなと思うんです。というのも私もそういう風にたくさんのかたにハブになっていただいてお世話になったので、恩送りをしたいなと。そしてこうやって商売をさせてもらえる町に恩返しをしたいですね」。
「自分たちが良ければいいのではなく、自分たちの後ろにあるものも大切にしたい。宮津の美しい景色を残したり、食材を知ってもらったりと宮津の、丹後の魅力を発信していきたい」という飯尾さん。
まだまだ、このほかにもお酢造りを通して発信、活動していることは多岐に渡っていますし新しい酢も毎年、開発しています。飯尾醸造と宮津がこれから発展していくのがとても楽しみです。
飯尾醸造のお酢を買いたい!
飯尾醸造のお酢はデパートやスーパーで販売。どちらかというと、こだわり商品を扱うお店にあることが多いですよ。また、飯尾醸造のホームページや電話での通信販売もありますし、蔵には売店も併設されているので、蔵見学とともに訪れるのもおすすめです。
【Information】
飯尾醸造
京都府宮津市小田宿野373
TEL 0772-25-0015
営業 9:00~12:00、13:00~17:00
定休日 日曜・祝日(土曜日が祝日の場合も休業)
【Information】
aceto(アチェート)
京都府宮津市字新浜1968
TEL 0772-25-1010
営業 18:00~23:00
定休日 月・火曜
- source:KYOTO SIDE
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