おどかすだけじゃない!世界の面白い「しゃっくり」を止める方法3選

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2021/02/20

おはらいをする/イギリス

ニルス・ブロメール作『草原のエルフたち』image by:Nils Blommer, Public domain, via Wikimedia Commons

英語で「しゃっくり」は「hiccup(ヒカップ)」といいます。語源辞典『Online Etymology Dictionary』を調べると、「hiccup」自体は、しゃくりの音をまねてできた言葉だと分かります。

しかし、そのつづりには変化が起きている様子。もともとは「aelfsogoda」と書いたそうです。この言葉の冒頭には「elf(エルフ)」という言葉が見られますよね。これはゲルマン神話における妖精のことです。

妖精というと日本人は自動的に、何かかわいらしい姿を想像するはず。しかし、「elf」に関してはむしろ『Online Etymology Dictionary』にも、いたずらで悪意を持った邪悪な存在なのだとか。

さらなる情報を求めて岩波書店『広辞苑』を調べると、「elf」は「小妖魔」との記載があります。妖魔とは、「へんげ、妖怪、まもの」とも書かれていますから、小さい魔物と考えた方が良さそうですね。

10世紀ごろのイギリスにおいて、しゃっくりはこのエルフが起こしていると思われていました。そのため、しゃっくりが出たら、おはらいをする必要があったそうです。

リチャード・ドイル作『からかわれる可哀そうな小鳥』image by:Richard Doyle, Public domain, via Wikimedia Commons

なかにはおはらいの一環で、ハーブの軟こうを用意し、十字架を描き、ラテン語で宗教詩を歌う人もいたのだとか。さらに16世紀のスコットランドでは、あごを右手で押さえながら、ゴスペルを歌う方法もあったとされています。

人体に対する理解が進んでいない時代だと、なぜしゃっくりが起きるのか、誰も理解していないはず。何も理由が分からないのに体が変な反応を起こすと考えれば、「悪魔に取りつかれた」的な発想が生まれても、不思議ではありませんよね。

「本家」のおはらいはなかなかまねできませんが、塩をまくなど、日本流のおはらいを試してみてもいいのかもしれません。

今回は世界にあるさまざまな「しゃっくりを止める方法」についてご紹介してきました。都合よく手の届く場所にレモンがあるとは限りませんが、「レモンをかじる」などは、すぐに試せそうですね。


また、ロシア流の「友だちの名前を順番に唱える」だと楽しみながら止められるかもしれません。皆さんもぜひしゃっくりが出た際は参考にしてみてはいかがでしょうか。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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