「受験は神頼みじゃあかんねん!」疲弊した私が母と交わしたあの日の言葉

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2021/02/14

努力は、結果だけじゃない。過程も糧になるんだ

イメージです。image by:photolibrary

そんな思いで迎えた、受験当日。受験地は京都の南の方だったのですが、ちょうど寒波がやってきて、雪が積もるような寒い日でした。

「いらん」と口では言っていた私。でも当日のバッグには、お守りの五角形の鉛筆と、母がメッセージを書いてくれたキットカットをしっかりと入れていたのです。

そして、全科目の試験が無事終了。迎えに来てくれた母に対して、「ありがとう」の言葉の代わりにこう言いました。

「これで不合格でも後悔はないとおもう。それくらい100%やったって言い切れる。きょうの“でき”もやし、これまでの勉強も」

本心からの言葉です。この言葉を聞いた母は、車を運転しながら泣いていました。

「私はあんたがどれくらいやってきたか知ってる。だからその言葉があんたの口から出てきたことは、何よりも嬉しい。辛かったのに、よう頑張ったな」

まだ結果が出たわけでもないのに、なんだかこれまでの“時間”が頭の中を一瞬でかけめぐって、私も母の横で涙を堪えるのに必死でした。

image by:Shutterstock.com

あの、わけもわからない漠然とした不安や、不合格への恐怖、苛立ち。

“大学受験”というものは、今後どんな出来事とも引き換えることのできない“経験”です。合格しようとしまいと、それを経験した人には等しく残っていくものだと思います。


そしてそれは、数年後、数十年後の自分を形成する大きな礎になっているものです。たった数カ月先が真っ暗で見えない恐ろしさを知っている人間は、たくましい。私はそう思います。

そうそう。受験の結果は、ギリギリ合格。合格最低点+5点。あと一問でも間違えていたら、不合格という奇跡の滑り込み合格です。

この5点は、母がひとりでお参りに行ってくれたときに、北野天満宮の天神さんがくれたものかもしれないし、夜中にこっそりと“お菓子ボックス”から、合格デザインのクッキーを食べたからかもしれません。

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フリーランスのライター・インタビュアー

大学卒業後、勢いでフリーランスとして独立。ウェブメディアを中心に、インタビューやイベントレポート、小説・エッセイ連載など様々な媒体で執筆、脚本を行っています。小説をエンタメだけでなく情報を伝える手段にするべく、日々奮闘中。
その人や商品、企業の魅力を、私の文章でより多くの方々に伝えたい気持ちを胸に日々活動しています。

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