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仕事したくなさすぎて、ビール片手に会社と逆方向の電車に乗ってみた

2019年12月中旬、朝。ホームに滑りこんできた電車のドア窓を見て、思わず身がすくんだ。車内にぎゅうぎゅうと詰まった見知らぬ人々。その集団の熱で、窓は真っ白に結露している。

私は、それが昔から苦手だった。結露に触れれば、しずくとなってまとわりつく。誰かの湿った吐息に触れてしまったようで、嫌悪感とはまた違う居心地の悪さを感じてしまうのだ。

乗り込む順番を考えると、おそらく私はドアの目前に立つことになる。そういえば、きょうは寝起きが最悪でメイクもそこそこに駆け出してきたせいで、ハンカチもタオルもティッシュさえ持っていない。結露に触れれば、濡れたまま仕事へ向かわなければならない。

「あー、なんか…全部イヤだ…」

私は都内の編集プロダクションに所属しながら、平日2日間だけフリーライターとして活動している。きょうはフリーライターとして担当編集Sとの打ち合わせに東京駅まで向かい、その後マンガ喫茶にこもって溜まっている原稿を片付ける予定(※1)だった。

目の前で電車のドアが閉まる。次の電車は約5分後。目的地に着いたらコンビニを探してタオルを買い、結露で濡れた手やコートを拭おう。打ち合わせ場所まで走れば間に合うはずだ。

いや、朝からそんなに体力を使っていいのか?考えるだけで疲れてくる。そんなムダな疲れと焦りとともに、じんわりと諦めが生まれる。そう、いまの私は、全身全霊で「仕事がしたくない」のだ。仕事はキライではない、でも締め切りは待ってくれない。

私は何もせず3億円がほしい。原稿の締め切りが届かないほど、どこか遠くへ逃げたい。そうだ、このまま仕事を放り出して目的地と逆方向の電車に飛び乗り、どこか遠くまで逃げてみよう。

仕事したくないから、目的地と逆の電車に飛び乗った

image by:ミズサワカノン

ライター・ミズサワ、いわゆる会社員になって早6年ほど。日々「会社行きたくない、仕事したくない」と思いつつも20代後半になりました。会社勤めなのかフリーランスなのかはわかりませんが、生きるためにお金を稼ぐ毎日が、今後何十年も続くことでしょう。


だからこそ、いつかやってみたいことがありました。それが「会社(仕事先)と逆方向の電車に乗って逃避行」。ミズサワは小心者ゆえ、ただネタでいうだけだと思っていたのですが、きょう、それをしでかしてしまったのです。

今回は仕事を放り出す焦りを感じながらの逃避行なので、自分を解き放つため以下のルールを設けました。

  • ルール
  • スマートフォンは写真撮影や支払いのみに使い、目的地などの検索はしない
  • 仕事や会社からの逃避行なので、メールやチャットツールは見ない
  • 旅行でなく逃避行なので、とにかく自分に素直に、頑張らない

スタートはミズサワの超地元・川崎駅。川の先っちょ、川崎です。編集Sとの打ち合わせ場所は東京駅。東京駅までは京浜東北線やJR東海道本線を利用する予定だったので、より遠方まで運んでくれるJR東海道本線に飛び乗り、横浜・静岡方面へ向かいました。

ちなみにこの時点でそもそもJR東海道本線の停車駅がどこなのかは知らず、東京駅の逆方面だから横浜や静岡方面だろうという大雑把な認識のみ。

もちろん、どこで降りるのかも一切考えていません。このときあったのは、仕事をサボってしまったことへの焦燥感と罪悪感。そしてほんの少しのワクワクでした。

※1…(編集注)よりリアルに「仕事したくない」ときに突然「仕事を放置」し「逆方向の電車に乗る」気持ちを追求してもらうため、約8カ月前から担当編集より「本当に仕事がしたくない日、打ち合わせを突然すっぽかしてください」と依頼され、悩みに悩んだすえの今回の実行です。

仕事したくなさすぎて、ビール片手に会社と逆方向の電車に乗ってみた
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