服を着ちゃダメ!?日本人が知らない、実は海外でやってはいけないこと

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2022/02/26

水で乾杯しない/ドイツ

image by:Unsplash

基本的に乾杯はお酒でする行為だと思います。岩波書店『広辞苑』を見ても、

<杯の酒を飲みほすこと>(『広辞苑』より引用)

とあります。お酒の場でグラスを飲み干す行為が本来の意味になりますが、時と場合によっては水の入ったグラスやジュースの入ったグラスを使って乾杯する瞬間もありますよね。

お酒が飲めない場合だとか、お酒が飲めない人が宴会の場に交じっているときなどは、水の入ったグラスで乾杯する場合も当然あるわけです。しかしこの行為をドイツ旅行中には、あるいはドイツ人と日本で食事する際にはしない方が無難かもしれません。

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ドイツでは水の入ったグラスで乾杯すると不幸がもたらされる、極端なケースでは誰かが死ぬとさえ思われているいみたいです。

この俗信はドイツが発端ではなく古代ギリシアまでさかのぼるそう。言い換えればドイツのみならずヨーロッパ各地にも影響を与えているといいます。

ギリシャの伝説によれば、死者の魂は川の水を飲んで地上での生活を忘れ、死後の世界へ向かうとされています。ドイツでの俗信をその話が生んだとされているみたいですね。

ちなみに日本でも似たような感覚を持った水杯(みずさかずき)という儀式があります。

<水を互いに入れ合って飲む別れの杯>(岩波書店『広辞苑』より引用)

ただしグラスを上げて乾杯する文化はもともと日本にありません。黒船来航の際に日本へ入ってきています。庶民まで浸透した時期は明治時代です。さらに掛け声は「万歳」が最初に使われて、大正時代になってからようやく「乾杯」が使われ始めました。

戦国時代から存在するともいわれる水杯と西欧流の乾杯を直接的に結び付けようとしても、ちょっと無理があるのかもしれませんが、水を神聖視する人類の感覚は根底で共通しているのかもしれませんね。


このように世界にはさまざまな言い伝えが存在しています。幸運がもたらされるといわれるものもあれば、やってはいけないとされることもありましたね。それらのなかには、日本人が知らないと海外で誤解される可能性がある行為も少なくありません。

いつかまた海外へ出かけられるときがきたときのために、知っておいて損はないはずですよ。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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