【京都の学校給食】漁港が近いから味わえる鮮度抜群のお魚~伊根編~
オンリーワンの給食だけにとどまらない伊根小の食育
伊根の伝統保存食“へしこ”作り体験
伊根町を中心に丹後地方で古くから伝わっている発酵食品「へしこ」は、サバやアジ、イワシなどを長期間にわたって米ぬかと塩で漬け込んだ保存食。秋から冬に漬け込まれ、10カ月ほど寝かすと食べごろになるんだとか。
へしこ作り体験も伊根小の恒例行事のひとつ。地域のかたをゲストティーチャーに迎え、4年生が体験します。なんと出刃包丁でサバの下処理から本漬けまで全行程チャレンジ!!
もちろん、作ったへしこは1年かけて給食で味わいます。食べやすいパスタ、チャーハン、ピザなど多彩なメニューにアレンジされ出されます。伊根小HPには分かりやすくまとめられたレシピもご覧いただけますよ~。
児童の皆さんに好きなメニューを聞いてみたところ「へしこパン、パスタ」がダントツで人気でした。
とある転校生の男子児童さんにお話を聞くと「伊根に引っ越してきてから魚がとても好きになった。好きなへしこメニューは、へしこパン。チーズとよくあって美味しい。初めてへしこを食べたときは、食べたことない味で驚いたけど、もっと食べたくなる味だった」と教えてくれました。
修学旅行は2泊3日!京都の料亭で食育授業も
今年はコロナ禍で行先が変わったようですが、例年は奈良や京都市内を2泊3日巡る修学旅行。ちょっぴり期間も長いですよね
「食育に繋がるプランを大切にしています。京都の料亭で料理長から和食についてお話を聞いて、そのあと季節の和食料理をいただくのが恒例なんですよ」(川戸校長)
伊根町観光協会で配付中!伊根小の生徒さんお手製ガイドブックも
伊根町はへき地なので、人と触れ合う機会が少なかったり、コミュニケーション能力が弱かったりといった課題も。
そういったところはタブレットを活用し、他校とオンライン交流会をしたり、またリーフレットの制作および観光案内ガイドを行ったりと、しっかりと学校で取り組みます。
「無いことや少ないことを我慢するではなく、工夫する」ということがへき地教育では大切なことの一つと伝えているそうです。
伊根小では3~6年生になると伊根の魅力をPRするためリーフレットを制作します。すぐ近くの観光協会で絶賛配付中です。実際に、伊根を取材して作られているんですよ!
伊根グルメや素晴らしい景色、伝統・行事など、伊根を知り尽くした子どもたちがピックアップした情報はとても貴重なもの。見応え抜群です!!
学校の前は舟屋がずらりと並ぶ観光地。コミュニケーション能力向上のために、伊根の観光客にリーフレットを見せながら見どころを紹介します。
「地域のことを全然知らない人に伝えるということはとても学習が深まる機会です。コミュニケーション能力を付ける以外にも、わかりやすく表現する、書く、伝えるといった力が身に付きますよね。
さらには観光案内を通じて、子どもたちが地域に誇りを持ち、地域を大切にしようという気持ちが育まれます。同時に、取材へ行ったら必ず地域の課題もしっかり聞いてくるように指導しています。
伊根では進学や就職を機に地元を離れる人が多いのが現実。都会にいたとしても、故郷を守りたい・助けたい、なにか応援する方法はないかな?と考える気持ち、そこを育てることが一番大切です。
いいところも、わるいところも両方知っているのが、故郷を本当に愛する気持ちだと思っています」(川戸校長)
伊根小の給食献立作りに携わって3年目の改田先生。「素晴らしい食育の取り組みが代々受け継がれてきたこと、そして寄り添ってくれる地域のかたや生産者さんの理解があるからこそ、いまの伊根小の給食が実現できるのだと思っています。
地域一丸となって大切にされてきたものを次の世代にしっかりと繋いでいけるように頑張ります。給食が故郷のことを思い出すきっかけになればうれしいですね」(改田先生)
取材を通じて、子どもたちの食育に力を注ぐ伊根の方々の熱意に深く感銘を受けました。この記事が伊根の魅力をもっともっと深く知りたくなるきかっけになれば幸いです!そして、ぜひみなさんも改めて地元に目を向けてみてください。
▶直通ライナーに乗ってノスタルジック伊根探訪・前編〜世界にひとつだけの舟屋の町〜
▶直通ライナーに乗ってノスタルジック伊根探訪・後編〜抜群ロケーションの最旬伊根グルメ〜
- source:KYOTO SIDE
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