文豪は「老人になっても、旅に出たいという気持ちはなくならない」と語った

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2022/03/16

等身大の文豪。愛すべき酔っ払い

スタインベックの生まれ故郷サリナス近くの海岸線。image by:角谷剛

スタインベックは『チャーリーとの旅』が刊行された1962年にノーベル文学賞を受賞しました。アメリカ文学史上の偉人です。ですが、この作品から浮かび上がってくるのは、どこにでもいるようなひとりの平凡な中年男性の姿です。

例えば、他のアメリカ人作家と同じように、スタインベックもお酒が大好きでした。しかし、ジャック・ロンドンやアーネスト・ヘミングウェイのような破滅的な酒飲みというほどではなく、お酒とはまあまあ上手く付き合ったようです。

『チャーリーとの旅』も酒屋に立ち寄り、トラックに大量のお酒を積み込むところから始まります。バーボン、スコッチ、ジン、アップルジャック、そしてビールのケースを買い込み、これで大抵のシチュエーションに間に合うと安心しています。

「大きなパーティーでもあるのか」と尋ねる店の主人に、「いや、ただの旅の準備だよ」と答えています。

生まれ故郷サリナスに建っているスタインベック博物館のギフトショップに、この文豪が残した言葉をプリントしたTシャツやグラスが売っています。

image by:角谷剛

“There is nothing in the world like the first taste of beer”-John Steinbeck

「ビールの最初の1口に優るものはこの世界に何もない」(筆者訳)

何となく、新橋辺りの居酒屋で生ビールのジョッキを持ち上げて笑っている姿が見えてくるようです。そうだよな、おっさん。よく分かっているじゃないか。思わずそういって、肩を叩きたくなるのは私だけでしょうか。

  • image by:角谷剛
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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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