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実は海外より緩い? なぜ日本の空港の「保安検査」でトラブルが起こるのか

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2022/06/10

飛行機に乗る前に、空港で必ず受けないといけないのが「保安検査」です。手荷物や衣服などを検査機器に通し、もしもその機器がなんらか反応したら再検査となります。場合によっては、物品が没収されることも。

image by:Shutterstock.com

日本の空港で、保安検査でのトラブルが時折起きています。

例えば、沖縄県の那覇空港で2022年4月25日、保安検査の手続きが約1時間半停止。ANA便で2時間以上、JAL便でも1時間ほどの出発遅れが生じました。(参考:NHK,沖縄タイムス

原因は、制限区域内にあるANAのラウンジ内でカッターナイフが見つかったこと。カッターナイフが保安検査をそのまま通過してしまうことは、通常あり得ません。

完璧なはずの保安検査で、どうしてトラブルが事あるごとに起きるのでしょうか。これまでの国内でのトラブル事例と、あわせて「日本より厳しい」とも言われる海外の空港での保安検査などを紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

日本の空港での保安検査は1973年から始まった

空港での保安検査は、実はずっと昔から行われていたわけではありません。成田空港の公式サイトによると、日本で乗客の保安検査が行われるようになったのは、1973(昭和48)年から。

1970(昭和45)年3月31日に「よど号事件(B727)」、8月19日「あかしや号事件(B727)」と国内ハイジャック事件も続いており、当初は「ハイジャック防止」が目的だったとのことです。

その後、成田空港でも起きた手荷物の爆発事故、アメリカの同時多発テロなどの影響から、その時代に合わせた保安検査がその都度で実施されてきました。

伊丹空港にあるANA側の保安検査場の前。image by:シカマアキ

日本国内の空港での保安検査の見直しが近年行われたのは、まだ記憶に新しい大阪国際空港(伊丹空港)での一件です。


2019(令和元)年9月26日の朝、折り畳み式の刃物を持ったANAの乗客に対し、保安員が通過してしまったことが発覚しました。(参考:朝日新聞デジタル

その後、何時間にもわたってANA側の保安検査場が閉鎖され、その乗客をすぐに特定できなかったことから、一度通過した乗客全員が再検査。ANA便で、欠航や大幅遅延が多数発生する事態となりました。

しかもその刃物を持った乗客は羽田空港で国際線へ乗り継ぎ、インドネシアのジャカルタまで行っていたことが後日判明。「日本の保安検査はどうなっているのか」との問題が浮き彫りになったのです。

国によって保安検査が義務化、罰則も。しかし…

伊丹空港で起こった当時に明らかになったのは「保安検査は義務ではなく、受けなくても特に罰則はない」とのこと。以前から「飛行機に乗るときは、保安検査を必ず受けないといけない」と認識している人が大半でしょう。

しかし当時、しっかりルール化されておらず、罰則などもありませんでした。この一件を機に、保安検査の法整備が進められるようになりました。

空港での保安検査の強化をアピールするポスター(画像:国土交通省航空局

2022(令和4)年3月10日、航空法の改正により、保安検査を受けないと航空機に搭乗できない、保安検査員や関係職員の指示に従うことなどがルール化されました。

機内持込制限品を航空機内に持ち込むこと(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)、保安検査を受けずに危険物等所持制限区域(※)に立ち入ること(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)などの罰則も。

それでも、那覇空港での一件が起きました。しかも、刃物に金属探知機が反応しなかったとの報道も。今度は検査機器の問題が完全にクリアされていないことが明るみとなりました。

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