東京に現役で残る、美しき明治期のレトロ建築物「迎賓館赤坂離宮」

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2022/06/15

通勤や通学、何気ないお散歩に至るまで街を歩くとき、ふと目を向けてみると楽しいのが個性的な街並みです。

さまざまな建築物があるなかで思わず目に留まってしまうものといえば、歴史を感じる重厚な建物ではないでしょうか。

そのなかでもさらに心を奪われてしまうのが、日本では珍しい様式を取り入れた「西洋建築」です。

さかのぼること明治時代から多用され、いまに至るまで荘厳な姿を残しているものも多々。今回は、そんな「明治時代建造の建築物」から「迎賓館赤坂離宮」をご紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

迎賓館赤坂離宮/東京都港区

image by:Shutterstock.com

1909年、宮廷建築家の片山東熊氏により設計が行われ、東宮御所として建造された「迎賓館赤坂離宮」。

場所は元来、明治天皇が「明治宮殿」が完成するまでの15年に渡り、仮の皇居として住まいを置いた由緒ある土地が選ばれました。

片山東熊氏は「鹿鳴館」なども手掛けた外国人建築家ジョサイア・コンドル氏の弟子として腕を磨いただけあって、完成した赤坂離宮はネオ・バロック様式を用いた豪華絢爛なもの。

正面玄関に「鎧武者」など日本らしいデザインも施されているのが魅力です。

フランス「ヴェルサイユ宮殿」image by:Shutterstock.com

イギリスの「バッキンガム宮殿」やフランスの「ヴェルサイユ宮殿」、ウィーンの「ホーフブルク宮殿」など、世界を代表する宮殿の数々からインスパイアされているともいわれ、当時は内部の家具なども海外輸入したものを取りそろえていたそう。


さらに、まだ電気系統が完成されていなかったことからイギリス製の自家発電装置とアメリカ製の自動暖房装置を完備するなど最先端の機器を導入。

しかし、日本の天候と石やレンガによる西洋建築の建物は親和性が低いという欠点も。

こうして、住み心地の悪さや豪華すぎる外観により御所ではなく離宮として扱われることが続き、現在の「赤坂離宮」という名称に。

とはいえ、1974年に作られた新たな賓客用エレベーターは総金箔張りであったりと、その豪華さは脈々と継承されてきました。

image by:photoAC

昭和天皇と香淳皇后ご夫妻が結婚当初に住居として使用されたのちは、国立国会図書館や法務庁、裁判所、東京オリンピック組織委員会など多様に活躍。

そして1967年から100億円を超える費用を投入して改修が施され、遂に現在の姿となりました。

主に海外からの国賓を迎える場所として機能しながら、2009年には日本初の明治時代以降に完成した文化財ながら国宝に指定されるという快挙を達成。

2016年からは一般公開が行われるようになり、多くの人が訪れる観光名所となっています。

迎賓館赤坂離宮の魅力は?

image by:Shutterstock.com

豪華絢爛という言葉が相応しい迎賓館赤坂離宮。その魅力は、外観のみならず世界でも屈指の華やかさを持つ内装にも表れています。

入口となる正面玄関だけでも、イタリア産大理石と国産玄昌石を市松模様にはめ込んだ床など、見惚れてしまう美しさです。

女神の描かれた天井に、創建時から受け継がれるクリスタルガラスのシャンデリアが躍る「朝日の間」、鮮やかな赤がポイントの「彩鸞の間」、約7,000個のパーツで造られた迎賓館最大のシャンデリアを持つ舞踏室として用いられていた「羽衣の間」も圧巻。

現在も記者会見や晩餐会が執り行われている重厚なインテリアの「花鳥の間」も含め、公開日程に合わせてすべて見学が可能。

さらに、前庭でアフタヌーンティーが行われたりしたことも。日本とは思えない非現実的な世界を、思いっきり堪能することができます。

迎賓館赤坂離宮へのアクセスは?

image by:photoAC

駐車場や駐輪場が完備されていないため、訪れる際は公共交通機関を使用することが前提となっている同所。JR中央線・総武線の「四ツ谷」駅の赤坂口を出て、およそ7分ほど歩くとすぐに到着することができます。

東京メトロでは、丸ノ内線「四ツ谷」駅1番出口または、南北線「四ツ谷」駅2番出口より同様に約7分ほど。学習院初等科も隣接しているため、地上に出れば迷うことなく辿り着くことができますよ。

日本における西洋建築の集大成ともいえる、国宝「迎賓館赤坂離宮」。明治時代からの歴史を重ねた、世界トップクラスの要人たちが訪れる優雅さを極めた見事な世界へぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

  • 迎賓館赤坂離宮
  • 東京都港区元赤坂2-1-1
  • 03-3478-1111
  • 四ッ谷駅
  • 参観料:一般1,500円/大学生1,000円/中高生500円/小学生以下無料(本館、庭園)
  • 休館日:水曜
  • 10:00〜17:00(最終受付16:00)
  • 公式サイト
  • image by:Shutterstock.com
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美容師・ヘアメイクを経て映画業界に転身。フリーの記者カメラマンとして国内外のレッドカーペット取材や俳優インタビューを行いながら、来日イベントの企画運営・PR、記者会見や舞台挨拶のMCなど洋画をメインに活動。現在は育児のため仕事をセーブし、ライターとして幅広いジャンルの記事を執筆中。

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