「どちらにしようかな」のあと何て言う?全国で違っていてスゴい【完全版】
九州・沖縄の「どちらにしようかな」
最後は、九州・沖縄地方です。
- 「どちらにしようかな てんのかみさま(かみさま)の いうとおり」
- 「まっくろくろけのけっけっけ」(福岡・佐賀)
- 「1・2・3ばんめのかきのたね」(福岡)
- 「ゲゲゲのアブラムシ」(大分)
- 「けけけのけむし アブラムシ」(福岡)
- 「ごはんつぶ」(宮崎)
- 「アブラムシ けむし」(鹿児島)
- 「ピンポンポポンのアブラムシ」(鹿児島)
- 「キンコンカンコン けむしのいうとおり」(沖縄)
冒頭に続く5つの音素(意味あり)として、宮崎県の「ごはんつぶ」と鹿児島県の「アブラムシ」が見られます。
しかし、5つの音素がはっきりと他は定まっていません。
一方で、参照元にも書かれているように、終盤の締めくくりに向かう歌詞には虫の表現が目立ちます。
ほかの地域を振り返ってみれば、「キンコンカンコン アブラムシ」(徳島県)もあったので、「その他」の(トンボ類)は(虫類)と定義した方がいいのかもしれません。
さらに、「めのめの3ばんめのひよこ」(富山県)、「ぴーちくぱーちく ひばりのこ」(青森県・岩手県)と、鳥に関する歌詞も目立ったので、終盤の締めくくりに向かう表現として「その他」のひとつに(鳥類)を加えてもいいのかもしれません。
あらためて本記事流に整理すると、
- 「どちら(どれ)にしようかな かみさま(てんのかみさま、他)の いうとおり」
- 「○○○○○(意味ありor意味なし)」の5音素(省略されるor5音素ではない地域も)
- 「鉄砲orその他(数字類・ろうそく類・虫類・豆類・花類・鳥類)」
といった感じでしょうか。
皆さんのジモトにはどんな唱え歌がありましたか?ぜひ慣れしたしんだ唱え歌をちょっと思い出してみて、どのように分類できるか考えてみると、面白いかもしれませんよ。
- 参考
- 小泉文夫『わらべうたの研究』(わらべうたの研究刊行会)
- 岩井正浩『わらべうた』(第一書房)
- 森薫「となえうたの教材化に関する基礎的検討-「どれにしようかな」の採集調査と「活動理論」をふまえて-」(教材学研究)
- 石井聖乃「えらび歌の地域差に関する調査研究」(東京女子大学卒業論文要旨)
- 余健「方言調査の結果を授業に生かす- 四日市市水沢地区に焦点を当てて -」(三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要)
- 佐藤絹子「いろいろな選び歌とじゃんけん「どちらにしようかな~」から始まる選び歌編」
- image by:Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
いま読まれてます