世界が認めた日本美術の傑作。千利休ゆかりの「大徳寺」で国宝が特別公開

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2022/12/28

一年を通じて人気の旅行先「京都」では、2022年で生誕500年を迎えた茶人「千利休」をより深堀りする、貴重な名品やスポットが公開される特集がスタートしています。

かの織田信長や豊臣秀吉なども愛したといわれる、名将たちゆかりの寺でもある「大徳寺」。彼等に仕えた千利休が作り上げた世界や、晩年を過ごした場所、そして死の一因といわれる因縁の場所まで、見どころをご紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「大徳寺」では最期の一端となった因縁の門も

大徳寺「聚光院」

image by:PR TIMES
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千利休の菩提寺であり、利休の茶道を受け継ぐ「茶道三千家」歴代の墓所としても知られているのが「聚光院(じゅこういん)」。

現在、狩野派4代目の狩野永徳と、父である狩野派3代目の松栄が描いた国宝『聚光院本堂障壁画全46面』が特別公開されています。

通常は京都国立博物館に置かれているこの絵画は、そのほとんどが兵火や破却により失われている狩野永徳の現存作品内でも圧倒的なスケール。2016年に同様の公開が行われた際は約10万人が訪れ、今回も開始から1カ月で拝観予約が1万件を超えています。

安土桃山時代に活躍し、現在も天才絵師と呼ばれる永徳。世界一著名な絵画『モナリザ』が来日した際、フランスでは答礼として永徳による『花鳥図』が飾られたほど。その世界を存分に体感できるものであると同時に、国宝の公開でもある貴重な機会です。

  • 千利休の菩提寺 大徳寺「聚光院」
  • 京都府京都市北区紫野大徳寺町58
  • 拝観料:大人2,000円/中高生1 ,000円(小学生以下拝観不可)
  • 公開期間:〜2023年3月26日(日)
  • 公式サイト
  • ※予約優先です。詳しくは公式サイトをご確認ください。

聚光院のお茶室「閑隠席」「枡床席」

image by:PR TIMES
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千利休の150回忌を機会として、表千家7代如心斎により建てられた「閑隠席」と、対になる形で建てられている「枡床席」。共に重要文化財に指定されており、脈々と受け継がれるお茶の世界を存分に体感できます。


閑隠席は、極限まで抑えられた明かりや、飾り気を排除した簡素ともいえるほどの設えなど、利休が伝える茶道の精神が存分に反映されているのが魅力。この茶室を利用した「朝茶」が開催された記録も残されているなど、背筋を伸ばしたくなるような緊張感が漂う場所です。

一方の枡床席は、閑隠席より広めの4畳半スペースに、柔らかな曲線を描いた赤松の床柱、高めの天井など、閑隠席と比べて寛げる雰囲気と解放感があるのが特徴。それぞれの違いを感じながら滞在してみるのも面白いかもしれません。

庭園「百積の庭」

image by:PR TIMES

狩野永徳が描いた下絵をもとに、利休が作庭を手掛けたと伝えられている万丈庭園「百積の庭(ひゃくせきのにわ)」。

1代目を利休が植樹したとされ、現在は4代目の沙羅の木が植えられているなど、茶道だけに留まらない利休の卓越した才能を垣間見ることができます。

三門 金毛閣

image by:PR TIMES

1529年、「応仁の乱」が終焉を迎えた際に柴軒屋宗長が寄与し再建された「三門 金毛閣」。資金難により未完成となっていた楼閣部分を、1589年に大徳寺を支援する形で、利休が増築を行ったのが「金毛閣」です。

大徳寺の僧侶・古渓宗陳は、その感謝の意を込めて利休の木像を作り、金毛閣2階部分に設置。しかし、高い階級の人が多く通る門の上に草履を履いた利休像があるという点に対し、時の権力者であった豊臣秀吉が「頭を踏んでいるのと同じだ」と激怒します。

これが一因となり、じわじわと対立が起きていた利休に対して秀吉は切腹を命じ、遺体はこの木像と共にさらされたといわれています。鮮やかな朱色の壮麗な門構えだけに、利休の悲しい最期がますます刺さるかもしれません。

通常は見ることのできない貴重な国宝や重要文化財などを拝観することができるこの機会に、ぜひ京都へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

  • 大徳寺
  • 京都府京都市北区紫野大徳寺町53
  • 公式サイト
  • ※期間限定の特別公開については終了している可能性がありますのでご注意ください。
  • source:PR TIMES
  • ※イベントに関する情報は変更になる可能性があるので、必ず事前にご確認ください。
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  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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美容師・ヘアメイクを経て映画業界に転身。フリーの記者カメラマンとして国内外のレッドカーペット取材や俳優インタビューを行いながら、来日イベントの企画運営・PR、記者会見や舞台挨拶のMCなど洋画をメインに活動。現在は育児のため仕事をセーブし、ライターとして幅広いジャンルの記事を執筆中。

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