いま世界各国で「ニホン」ブーム。外国人が日本語を学ぼうとしたきっかけは?

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2023/10/07

日本の曲を「カラオケ」で歌いたい

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日本の「カラオケ(karaoke)」は、すでに海外でも共通言語として使われています。日本が生んだ一大文化ですね。

カナダのケベックシティで、ケベック・ウィンター・カーニバルという大きなお祭りの夜に、地元のカラオケバーで「何か歌ってくれ」とお店の人に言われて、強烈な「カラハラ」を受けた思い出もあります。

その時、知り合った地元客によると、その方もアニメが大好きで、日本のアニメソングも大好きだと教えてくれました。

その方は、日本語を勉強をしているわけではないみたいですが、各地のアニメイベントに参加しているそうで、それらのアニメイベントでは、日本語のアニメソングの大合唱も起きるそうです。「スマホ」に録画された動画も見せてくれました。

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日本語を勉強し始めるきっかけとして「歌」が大きな役割を果たした例で言えば、ネパール東部にあるビラトナガルという町で出会った地元ミュージシャンの話も印象に残っています。

ネパールでコンサートを開催した日本人ミュージシャン(グループ)が、当日『さくら』を歌ったそうです。「さくら さくら 野山も里も〜」という、あの有名な、音楽の教科書にも出てくる歌ですね。

この歌を聞いたその方は、耳コピをして、公演後にピアノを弾きながら何度も自分で歌ったそうです。そこで「さくら」という言葉を学び、日本語に興味を持って勉強し始めたと教えてくれました。

その方の自宅にはキーボードがあって、自宅に招待された際には、キーボードを演奏しながら歌ってくれました。

異国の地で、しかも、ネパールの首都でもないビラトナガルのまちで聞いた『さくら』は独特の感慨がありました。


「大吟醸」や「禅」を学びたい

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次は、カナダ人のケースです。カナダのトロントにある日本食レストランで出会った店員さんは、日本酒リストから料理に合うお酒を提案する仕事をしていました。

日本酒に関していろいろ話しながら現地の酒蔵のお酒なども提案してもらい、客としてすごく楽しい時間を過ごしました。

その方は、本格的に日本語を勉強しているわけではないみたいですが、飛騨高山や金沢に訪れた経験もあるため、日本に対する興味はかなり高いみたいです。機会があれば日本語も学びたいと言っていました。

その方が最初に覚えた日本語は「大吟醸」。日本人でもほとんどの人が、吟醸と大吟醸の違い、大吟醸と純米吟醸の違いなどを説明できないのではないでしょうか。

仕事関連の外国語を必要に迫られて最初に覚えたケースに分類できそうですが、日本の文化が関係しているとも言えそうです。

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同じくトロント出身ながら、日本で出会ったカナダ人の場合は、「」を学びたいと来日したそうです。曹洞宗の大本山である福井県の永平寺に興味があり、英語教師の仕事を求めて北陸に引っ越してきた人。

もちろん、日本に滞在する(後に、日本人と結婚した)くらいの人ですから、日本語はそこそこ話せます。その日本語を学びたい、日本に行きたいと思ったきっかけとなる日本語はまさに「禅」だったみたいです。

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こうやってみると「外国語を勉強したい!」と思う瞬間は、世界中の誰にとっても、いろいろな場所に転がっているのですね。

筆者の場合は、バッハの『マタイ受難曲』が好きでドイツ語を勉強したいと思った経験もありますし、ボサノバのジョアンジルベルトが好きでポルトガル語を勉強したいと思った経験もありました。いずれも、ちょっと興味を持っただけで結局は、深く学ばなかったですが…。

ちなみに、例のQ&Aサイトでは、日本語を学ぼうとする外国人に対して、同じく外国圏の人が日本語なんて日本でしか通じないんだぜとコメントする様子も見られます。

しかし、海外の日本語学習者(学習希望者)が反論しているように、1億人以上いる日本人に日本語は通じます。

その数は、世界の言語人口で言うと、トップ10前後に入る規模です。中国語や英語には遠く及びませんが、ドイツ語の言語人口に負けないくらい存在しています。

私たち日本人にとっては当たり前すぎて価値に気付きづらいですが、オリジナルの言語をもっと大切にした方がいいのかもしれません。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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