今や日本のカルチャーになった「カプセルトイ」、斜め上を行く新形態も続々登場

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2024/08/09

1965年に日本へ初上陸して以来、「ガチャガチャ」の愛称で親しまれているカプセルトイ。子供の楽しみというイメージが強いアイテムですが、昨今はその内容がハイクラスに変貌。大人の女性たちから強い人気を集めていることをご存じでしょうか。

街のあらゆる場所で見かけない日はないカプセルトイは、日夜数えきれないほどの新作が登場していることでも知られています。そんなガチャガチャの世界に、新しいカプセルトイブランド「灰色メロン」が登場!その魅力について、早速チェックしてみましょう。

「なんだこれは?」と思わず見入ってしまう…ユニークなカプセルトイの新ブランド登場

image by:WildSnap/Shutterstock.com

カプセルトイ業界の人気を牽引している世代は、子供たちから20~30代の女性へと変化。加えて、その販売価格も200円~300円から400~500円が主流になっており、子供世代にとっては大人と相談が必須の高額商品へと移行しています。

その背景には「新型コロナウイルス」の影響も。まさにコロナ禍の真っ只中だった2020年ごろ、ビジネスシーンの変化により商業施設からテナントが次々と撤退。空いてしまったスペースと相性がぴったりだったのがカプセルトイだったのです。

image by:Taweepat/Shutterstock.com

自分自身でお金を入れてガチャリと回す「自動販売機」型のため、人件費や出店費を低めに抑えられることから、空きスペースは続々とトイ売り場に変化。導入のハードルが低めながら利益を生んでくれるカプセルトイは、一気に売り場を増やしていきました。

出店側だけでなく、消費者にとっても魅力に溢れているのもポイント。コロナ禍でストレスが生じ、金銭的にも厳しいという方が増える中、1回の出費が比較的安価であることも手伝って購入者が増加しました。

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そしてなんと、コロナ禍で多くのビジネスが落ち込んでいく中でカプセルトイは市場を拡大。さらに円安によるインバウンド旅行客も増加し、ガチャガチャ体験とクオリティの高いお土産としても人気を上昇させていきました。

今や「日本を代表するカルチャーのひとつ」と言えるカプセルトイ。2023年には市場規模が800億を超え、前年比約130%増という驚異的な数字を叩き出しました。2021年の約450億円、2022年の610億円から800億円を超え、今年は1000億円も視野と言われています。

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また、これまで購入者層のトップだった子供から、その層はなんと大人へと移行。中でも、自由に使えるお金が多い社会人から子育て中に親子で楽しむ人まで、20〜30代女性がボリュームゾーンを形成しているとのこと。


カプセルトイに参入する企業も年々増えている中、そのバリエーションはさらに数えきれない数に。なんとひと月に約400ものアイテムが発売されていると言われており、販売エリアを訪れるたびに新作が見つかるのも納得です。

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その反面、その内容は有名キャラクターや有名企業の商品が目立っているのが現状。どうしても似たアイテムが多くなってしまうという市場の問題があり、ご自宅でも似たものが溜まっていっている…という方も多いかもしれません。

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そんな中、カプセルトイの魅力の真髄である「何でこんな物が?」という驚きにあることを取り戻そうと、その名も「アートトイ」という新市場を創出しようという新カプセルトイブランド「灰色メロン」が登場しました。

完全オリジナルの企画と、ターゲットを大人層に限定し「上質なユーモア」を追求。海外では知られている存在のアートトイ市場の日本における起点を目指し、海外マーケットも目指しているといい、注目せずにはいられないブランドです。

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コンセプトに「本格的にヘン!」を掲げ、広告領域のクリエイティブディレクター・株式会社gray parkの飯田マサミ氏が企画とデザインを担当。その仕上がりは「思わず二度見してしまう独特さ」が頷けるものとなっています。

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第1弾として6月7日に発売開始した「部分イクラ」は、「もしもあそこがイクラだったら」というコピーからもわかる通り、想像だにしない箇所がイクラになっているキャラクターや小物が登場。ツヤツヤで本物のようなイクラの質感も見惚れてしまいます。

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7月に登場した第2弾「ナゾパゴス島」は、別々の動物が絶妙なバランスで融合した、ユニークさとキュートさが同居する仕上がり。動物好きの子供たちも気に入りそうなデザインの見事さがさすがです。

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8月発売の第3弾の「発射っ!」は、人やグルメが思わぬ形で発射しているという、これまた独特のユニークな一品。おいしかったり驚いたりした時に発射してしまったのかと感じる、想像力が刺激されるアイテムです。

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日本発のオリジナルフィギュアは、海外の人にとってはサブカルアートとして認識されているとのこと。新たな「アートトイ」という視点が広がることで、小企業や個人がより活躍できる下地となるかもしれません。

「何だコレは?」と足を止めずにはいられない、驚きのビジュアルで鮮烈なデビューを飾った新ブランド「灰色メロン」。拡大しつつも飽和状態のカプセルトイ市場に風穴を開ける、新しい魅力に要注目です。

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大学時代にドイツへ1年間留学。卒業後は旅行・グルメ・恋愛系のライターとして活動中。大好きなハンバーガーとビールのために、休日はボルダリングとヨガで汗を流す。

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