旅が未来を変える?「サステナブルツーリズム」に力を入れている自治体ランキング

第5位 徳島県上勝町(92点)

環境20点/地域経済19点/文化伝統17点/インクルーシブ17点/未来性19点

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

日本で最も有名な「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」の取り組みで第5位に選ばれた「徳島県上勝町」。観光客は「ごみ分別体験」を通じて43種類のごみ分別や量り売りコーヒーなど、町の循環型社会を実際に体感できます。

「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」では、不要物を必要物に変える「くるくるショップ」や「アップサイクル建材の建物」など、町全体が体験型アトラクションとして機能。観光を地域課題の解決と訪問者の意識変容を促す教育の場として活用している点が高く評価されました。

第4位 岐阜県白川村(94点)

環境19点/地域経済18点/文化伝統20点/インクルーシブ18点/未来性19点

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

世界遺産として有名な「白川郷」を有する「岐阜県白川村」は、美しい景観を未来に継承する住民主体の取り組みで第4位にランクイン。特に合掌造りの屋根を30〜40年に一度葺き替える伝統作業を住民が守り続け、観光客がその過程を見学できる仕組みが注目されています。

「売らない・貸さない・壊さない」の3原則に基づき、暮らしそのものを観光資源とする独自モデルを確立。観光客は文化の真の価値を体感し、地域の生活や文化保全に間接的に貢献できる仕組みとなっています。

第3位 長野県白馬村(95点)

環境19点/地域経済19点/文化伝統18点/インクルーシブ19点/未来性20点

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

ウィンタースポーツの聖地「長野県白馬村」は、観光の通年化と環境配慮型リゾート経営で第3位を獲得。2020年には「ゼロカーボンシティ」を宣言し、再生可能エネルギーや電気自動車を積極的に導入することで、観光による環境負荷の最小化を目指しています。

冬はスキー、夏はトレッキングやエコツアーなど、四季を通じて楽しめる多様なアクティビティを提供。ユニバーサルデザインや多言語表示、バリアフリー化も着実に進め、誰もが安心して自然を楽しめる環境を整備している点も高く評価されました。


第2位 宮城県東松島市(96点)

環境19点/地域経済19点/文化伝統19点/インクルーシブ19点/未来性20点

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

東日本大震災の被害を乗り越え、持続可能な復興を実現した「宮城県東松島市」が第2位にランクイン。2018年に「SDGs未来都市」に選定され、震災復興をSDGs視点で再構築したその取り組みは、まさに復興のモデルケースと言えるでしょう。

「宮城オルレ奥松島コース」では、自然や歴史、震災の記憶を伝える場として整備され、観光を通じた学びと共感を生み出しています。

2023年にはUNWTO「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に東北で初認定され、地域経済活性化や文化遺産保全の取り組みが国際的に認められました。


第1位 熊本県阿蘇市(97点)

環境19点/地域経済20点/文化伝統19点/インクルーシブ19点/未来性20点

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

堂々の第1位に輝いた「熊本県阿蘇市」は、観光と「千年の草原」保全を結びつけた革新的な循環モデルで注目を集めています。

世界的に評価される阿蘇の草原景観は、人口減少や産業構造の変化により維持が困難な状況でしたが、市は立ち入り制限のある牧野でE-MTBツアーを実施。参加費に「牧野保全料」を組み込むことで、観光客が絶景を楽しみながら自然保全に直接貢献できる画期的な仕組みを確立しました。

この取り組みは観光庁「サステナブルな旅アワード」大賞や「世界の持続可能な観光地TOP100選」への選出など、国際的にも高く評価されています。

次世代を牽引する11位から30位の注目自治体

11位から30位には、北海道の下川町や美瑛町、京都府南丹市美山町、東京都小笠原村、鹿児島県与論町・奄美市など、それぞれ独自の魅力と取り組みを持つ自治体がランクイン。これらの地域も、持続可能な観光地づくりにおいて重要な役割を果たしています。

特に注目すべきは、大都市近郊の埼玉県飯能市や千葉県君津市なども上位にランクインしていることで、サステナブルツーリズムが地方だけでなく、都市部からアクセスしやすい地域でも積極的に推進されていることがうかがえます。

image by:「海外旅行・国内旅行のツアーやホテル予約アプリNEWT(ニュート)」による調査(via PR TIMES

このランキングが示すのは、日本のサステナブルツーリズムが単なるブームではなく、地域が抱える課題を解決するための強力なツールとして進化していることです。上位に名を連ねた自治体は、独自の資源(自然、文化、歴史)を活かし、観光を「消費」ではなく「再生」のための原動力として捉えています。

次の旅行では、美しい景色を眺めるだけでなく、その土地のSDGsの取り組みにも関心を向けてみてください。地産地消の料理を味わったり、伝統工芸品を購入したり、地域のガイドさんと交流したり。旅の小さな一歩が、その土地の明るい未来につながることを忘れずに。

あなたの次の旅が、訪れる地域にとっても、そしてあなた自身にとっても、より豊かで意味のある体験となることを願っています。サステナブルツーリズムは、旅行者と地域が共に成長できる、まさに未来型の旅のスタイルなのです。

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