なぜ川がグレーに?大迫力な山脈に抱かれたパキスタンの秘境「フンザ」への旅

パキスタンの山岳地帯で桃源郷と称される「フンザ」の魅力をお伝えします。今年の夏、3週間の期間で、パキスタンではカラチ、ラホール、イスラマバード、スカルドゥ、ギルギット、フンザと周りました。

フンザは6000~8000mのカラコルム山脈の山々の景色を楽しむことができる場所です。アフガニスタンや中国と国境を接している秘境でもあります。

テロが頻発していなかった前世紀終わりまでは日本の旅行会社も多く、フンザツアーを企画催行していました。しかし、ニューヨークのテロが起こって以降、パキスタン国内でもイスラム過激派によるテロが横行して、治安の観点上、ほとんどの旅行会社がパキスタンツアーの催行をやめている状態です。

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パキスタンの山岳地帯おすすめの「フンザ」

image by:大川原 明(アキーラ)

今回はイスラマバードから飛行機でスカルドゥに移動し1泊。そこから200kmの距離をタクシーで移動してギルギットに。そしてギルギットには1泊。ギルギットから100kmほどの距離をタクシーを使ってフンザに移動しました。

フンザは合計3泊。人柄もよく知識も豊富、日本語(英語も)が堪能なガイド・シェールさんに1日半、フンザとナガール、奥フンザと中国国境のクンジュラブ峠まで案内いただきました。

フンザは桃源郷と言われるほど雰囲気がよく、カラコルム山脈の山々、氷河、川などの景色を堪能できます。

ここ最近は、パキスタンの治安はテロが頻発していた時よりもマシになっており、パキスタンに観光で訪れることも、海外慣れした人であれば十分気を付ければ問題ないと思います。特にフンザなどの山岳地帯は都市部よりも安全度が増します(アフガンとの国境地帯は注意)。


フンザに行くには、首都のイスラマバードからの飛行機がフンザ最寄りのギルギット空港まで就航しています。プロペラ機で席数少ないのと欠航率が高いので利用できない可能性も時期により高いです。

もう1つの空港はギルギットから200km、フンザからは300km離れたスカルドゥ空港です。小生は往路が満席でギルギット行きの航空券が取れず、スカルドゥから入りました。

復路はギルギットからプロペラ機の利用を予定していましたが、残念ながら欠航に。便と予定を変更してスカルドゥに戻って1泊し、翌日の便でイスラマバードに戻りました。

日本企業進出、駐在員も多かったので、昔は南部の最大都市カラチまで成田から直行便が出ていましたが、今は直行便なし。タイや中国の航空会社でイスラマバードまで行き、そこから前述の国内線を利用しなくてはなりません。バスやタクシーをつかっ陸路で時間をかけて行くという方法もあります。

フンザの高級リゾートホテル「Ambiance Resort Hunza」に宿泊

image by:大川原 明(アキーラ)

フンザで宿泊したのは高級リゾートホテル「Ambiance Resort Hunza」。1泊朝食つきで13,500円ほどのプレミアムルームでの予約でしたが、ホテルの厚意で無料で2つ上のランク「Executive Club Room」に。プレミアムルームよりも1泊4,000円ほど高い部屋です。

広さは39?角部屋なのでバルコニーが2つ。日当たりが抜群で、バルコニーからは7000m超えのカラコルム山脈の山々が見渡せる景色を堪能できました。世界27位の高さを誇る標高7788m冠雪したフンザの名峰「ラカポシ」を眺めることができます。

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約3年前にできた新しいホテル。館内、部屋ともに設備が新しくて綺麗。レストラン、スパ、ジムやジャグジー、スチームルームなどを完備しています。従業員の接客対応も良かったです。

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費用は1泊朝食付き約13,500円×3泊で79,000ルピー(約40,500円)。宿泊費用はチェックイン時に全額カードで支払いました。

世界一危険と噂される吊り橋「パスー吊り橋」

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フンザの名所の1つが世界一危険と噂される吊り橋「パスー吊り橋」です。フサニにも危険な吊り橋がありますが、こちらのほうがより危険。

通路は木の板がつけられていますが、隙間があります。隙間は想像以上に広くて危ないです。しっかりと手綱を握っていなければ、揺れで下に落ちる可能性があります。

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夏には、氷河の雪解け水が流れてきており(川の色がセメント色なのはそのため)、川の流れは激流。岩が埋まっているとこが多く、落ちて流されたら泳げても非常に危険です。地元の人たちは手綱持たずに渡れる人もいるようですが、すごいですね。


フンザ川とナガール川の合流地点

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パキスタンの山岳地帯、ギルギット・バルティスタンのフンザ=ナガル県のフンザ。桃源郷と呼ばれるほど、山々の景色が美しい場所です。北側に中国、新疆ウイグル自治区の国境、北西にアフガニスタンと国境を接しています。

1974年まで支配していたフンザ藩王国だった地でフンザの人々はブルショー人でブルシャスキー語を話し、パキスタン都市部のパキスタン人とは言語も顔立ちも違います。

フンザには合計3泊して1日半、日本語と英語が堪能で知識人でもあるガイド・シェールさんにフンザ、奥フンザ、中国国境まで案内いただきました。

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最初に訪れたのはフンザ川とナガール川の合流地点。木々が少ないのは、降水量が少ないことが理由です。

川の色がセメントような灰色をしているのは、夏に近づく時期になると氷河の雪が解けし、雪解け水が流れてくるからです。雪解け水なので、水温はかなり低くて冷たい。春は川の色が綺麗で杏子の花々が咲く時期。秋は紅葉が楽しめるので、春と秋に観光客が多いとのこと。夏は海外からの登山客が多い時期です。

フンザの対岸ナガルの「ポッパー氷河」

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フンザから対岸の「ナガル」を訪問。パキスタンの都市部はイスラム教のスンニ派の人々が大半です。フンザはイスラム教のイスマイリー派信仰者が多数を占めていますが、ナガルはシーア派が大多数を占めています。

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フンザの中心地カリマバードから車で1時間ほどで「ポッパー氷河」に到着。丘から氷河を見ましたが、壮大な雰囲気を楽しむことができました。

フンザ・カリマバードにある「アルティット城」

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フンザは1974年まで続いていたフンザ藩王国していた地域。都があったカリマバードにある「アルティット城」は1974年まで藩王が住んでいたお城です。

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高い場所に築城しているので、眼下に川やカラコルムハイウェイを見ることができますし、美しい山々の景色を堪能することができます。

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ちなみに王族はこの城を寄付し、現在もフンザで生活しているようです。

展望台「Duiker Hill」

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フンザとナガルの景色、山々の景色を堪能できる展望台「Duiker Hill」。国内外の観光客に大人気の場所です。


自然災害により形成された天然ダム「アッタバード湖」

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2010年1月4日に起きた地滑り災害。複数の集落やカラコルムハイウェイが水没する被害に遭いました。

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フンザ川に山複斜面が地滑りにより崩壊し、形成されたのが天然ダム湖「アッタバード湖」です。

フンザの二大氷河(バトゥーラ氷河)

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フンザの中心部から中国との国境「クンジュラブ峠」に行く途中に寄った2つの氷河。パスー氷河とバトゥーラ氷河です。写真はバトゥーラ氷河。非常に綺麗な景色でした。

奥フンザのクンジュラブ国立公園の野生生物「オナガマーモット」

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フンザには数多くの野生生物が生息しています。アイベックス、ユキヒョウ、オナガマーモット、チベット狼イヌワシ、ヒマラヤハゲワシ、カササギなどの鳥類を見ることができます。

今回、小生が見たのはアイベックスとオナガマーモット。オナガマーモットは岩戸岩の間の穴に隠れていますが、時々出てきます。

パスーのレインボーブリッジ

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フンザのパスーにあるレインボーブリッジ。お台場のレインボーブリッジに比べるとかなり規模が小さいですが、色はまさにレインボー(虹)。氷河の雪解け水が流れてくる時期だったので激流でした。

フンザの名所「ボリット湖」

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到着が夕方だったので日陰になってしまいましたが、日が当たる時間であれば綺麗な色の湖です。ホテルや飲食店があり、ボートを借りることができる、人々の憩いの場になっています。

パスー氷河

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カラコルムハイウェイから西に進んだ場所にあるボリット湖。そこから北に悪路を進んでいくと「White Gracier View Point Chulkin」に。車をとめてハイキング、トレッキングをし丘の上に。そこから見えるのが「パスー氷河」です。

フンザのおすすめレストラン『Yak Grill』でヤクのステーキ

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フンザで利用したレストラン『Yak Grill』。ヤクの料理が食べれるとガイドさんにすすめられて利用しました。

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せっかくなので一番高いヤクのステーキに。250gで2,000円ぐらいでした。臭みがなく、柔らかい。ウシ科なので牛肉と似ていて、かなり美味しかったです。

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世の中にはメディアでは中々扱いきれないような情報や写真は数多くあります。また、海外の文化、風習、治安、国際関係を知らずに海外に出て、危険な目に遭う邦人は多いですが、そういった被害者を少しでも減らしていき、楽しく海外渡航してもらうための情報発信も心がけていきます。

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