東京でホタルを見よう。清瀬市「金山緑地公園」25年の挑戦
25年以上前から実施してきた蛍放
金山緑地公園の蛍は、１９９０年に清瀬ライオンズクラブが放蛍した事がきっかけとなり、それ以降、清瀬ホタルの会などの努力（園内の清掃や動植物の育成など）により、放蛍と共に自生するホタルも増え、夏の風物詩として見る事ができるようになりました。
金山緑地公園では、園内の小川の一部をネットで囲い、ここを蛍の育成領域としています。写真からも判るように、育成領域は手付かずの自然が再現されており、鬱蒼とした雰囲気があります。ホタルが好む環境というのは、こうした葉が生い茂る環境なのだろうなと感じました。
ところで、ホタルの光は、ルシフェリンとルシフェラーゼ、ＡＴＰ（アデノシン三リン酸）、及び酸素の作用によって生じる科学反応です。詳細には、複雑な化学反応が繰り返されているのですが、簡単に説明すると、発光反応の基質であるルシフェリンが、酵素であるルシフェラーゼの触媒作用によってＡＴＰと反応し、これによって生じた中間体が酸素と反応する事で、発光物質であるオキシルシフェリンが生成されるという事です。なお、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、ＡＴＰは、それぞれ蛍の体内で生成される物質で、酸素は、気門を通じて外部から取り入れられます。
実際には、発光現象は化学反応後のエネルギーの放出によって視認される現象ですが、酸素との反応によってそれが生じているという事から、光の瞬きは、ホタルの息遣いであると思って見ると、初夏の風情になるのではないでしょうか。
こうした不思議な光を放つホタルですが、観賞する際には、ゴミを出さない事はもちろん、フラッシュなどの強い光を当てての撮影は控えるようにしましょう。ホタルは強い光を当てられると、警戒して光らなくなってしまいます。そして、ホタルの光は、繁殖活動のためのものです。このため、ホタルが光る事をやめてしまうと、ホタルの繁殖にも影響を及ぼすこととなります。このため、できるだけ静かに見守ってあげるようにする事が良いと思います。
東京都でホタル観賞ができるスポットの１つとして、清瀬市の金山緑地公園に注目して説明をしてきましたが、都内には、これからの時期に放蛍や自然発生によりホタル観賞ができるスポットが複数存在します。
例えば６月３０日までの期間では、文京区の椿山荘でホタルを観賞する事ができるようです。
また、７月２日、３日には、港区の白高児童公園と墨田区のわんぱく天国にて、放蛍が行われる予定です。また、７月３日までの金曜日、土曜日、日曜日には、稲城市のよみうりランドでも蛍を見る事ができます。さらに、７月上旬から中旬位までの期間として、青梅市の岩蔵温泉郷、新宿区のおとめ山公園、世田谷区の世田谷代官屋敷、あきるの市の養沢川周辺などでも蛍を見る事ができるようです。
平日でも見られるスポットもあるので、仕事帰りに立ち寄って蛍観賞というのも良いのではなしでしょうか。ゆっくりと舞う幻想的な光を眺めていると、仕事で溜まったストレスを忘れる事ができるかもしれませんよ。
清瀬金山緑地公園
東京都清瀬市中里4-650
