30m級の間欠泉に圧倒。硫黄泉の匂いが広がるニュージーランドの街「ロトルア」
日本の「温泉」は日本人のみならず外国人からも愛される、世界に誇る文化の一つですよね。全国各地には多くの人気温泉地がありますが、世界にも温泉が沸く街は少なくありません。
今回ご紹介したいのは、ニュージーランドにある「ロトルア」の街。実はここもポコポコと温泉が湧く街なんです。自然の迫力が感じられるロトルアの街をチェックしてみましょう。
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大自然の迫力を感じるニュージーランド「ロトルア」

マオリ語で「ロト」は湖、「ルア」は2番目のという意味を持つ、ニュージーランド北島にある「ロトルア」。ちなみに1番大きな湖はやはり北東にあるタウポ湖です。
ロトルア湖畔に広がる大地熱地帯に位置するので、街全体に硫黄の匂いが漂い、ポコポコと温泉が湧く街なんです。またマオリ文化が色濃く根付いていて、古き良き時代のニュージーランドらしさを感じられる街といえるかもしれません。
硫黄の匂い漂うロトルアの街、クイラウ公園の足湯

街に入った途端、鼻をクンクンするまでもなく漂う硫黄の香り。海外なのに、まるで草津にでも来ちゃった感じがします。街の西側にある「クイラウ公園」には、足湯があるということなので行ってみました。
小川の流れる公園は、カモメも集う市民の憩いの場のようです。どんどん硫黄臭が強くなってきたなと思ったら、ありました!緑豊かな公園のなかに温泉があるなんて!入ってみたくなりますよね。

足湯が用意されていますので、せっかくですから入ってみましょう。青空の下、のんびりと足湯になんて入ったら、もうココはどこ?って感じで、ニュージーランドにいることを忘れてしまいそう。
街の東側、ロトルア湖畔のガバメント・ガーデン

ロトルア湖畔に広がる「ガバメント・ガーデン」に入ると、バス・ハウスが見えてきます。温泉施設として1908年に建てられたチューダー様式の建物で、現在「ロトルア博物館」になっています。
この場所は、マオリの人々にとって神聖な場所だったのですが、1800年代の終わりに当時の政府に、この50エーカー(約1,200坪)の土地を贈呈したとのこと。
かつては低木が覆い茂る荒れ地だったそうですが、一掃され美しい庭園に整備されました。モミの木やレッドウッドなど背の高い木は、当時のまま残され、日影をつくってくれるのがありがたいですね。

水深が浅いため潮がひいた浜辺のように見える「ロトルア湖」は、そこかしこでポッポと湯気が上がっていて、不思議な光景が広がっています。ロトルア湖畔には「ポリネシアン・スパ」があり、観光客で賑わっていました。水着着用ですが、露天風呂に入るのは気持ちよさそうですよね。
最大の観光スポット、間欠泉の噴き上がる「テ・プイア」

「テ・プイア」は、ロトルアでというより、ニュジーランドを代表する観光スポットではないでしょうか。観光バスがひっきりなしに到着し、団体さんも多く訪れています。
園内には間欠泉だけでなく、キウイ園、マオリの村、マオリ族の人しか入学できないという工芸美術学校などもあります。テ・プイアはマオリ語で「間欠泉」の意味を持つとおり、間欠泉が一番の見どころ。エントランスからすぐのところからも、湯気がモクモクしているのが見えます!
テ・プイアにはかつてふたつの間欠泉がありましたが、プリンスオブウェールズフェザー間欠泉は数年前に36時間噴き上がり続け、現在は停止してしまったそう。現在活動中のポフツ間欠泉は、お元気です。
「爆発(ポフツ)」という意味の間欠泉は、一日に20回くらい噴き上がるというので、1~2時間待てばほぼ確実に噴き上がるところを見ることができます。腰を据えて待とうと、木陰を探していたら、すぐにボコッボコという音が聞こえだし、だんだん音が大きくなります。なんだか地球が唸っている音っていう感じですよ。

ポフツ間欠泉は高さ20~25m(最大30m)まで噴き上がります。そして、噴き上がり始めると2カ所から、大噴水ならぬ大噴「湯」状態になります。下から見上げると迫力満点で、まるでロケットが打ち上がるかのよう。
さっきまでは乾いた岩肌が見えていたのが、流れる熱湯で岩肌からも湯気がもうもうと立ち上がる様は、自然の力の恐ろしささえ感じます。

ヨーロッパ人には蛙が飛び跳ねているような音に聞こえたのでしょうか、「frog pool(カエルの池)」と名前がつけられていた泥地獄。日本人には「地獄」の方が通りがよさそうですね。ボコボコと噴く泥は、地球の心臓がバクバクしている鼓動のように聞こえちゃいました。
「ロトルア」は街のどこにいても硫黄臭が漂い、温泉地にいる気分でリラックスすることができます。ここに長期滞在されている方々の気持ちがわかります。というか、羨ましすぎますね。
海が近いので、魚介類も豊富ですし、美しく安全な街。日本人にとって訪れるのがうれしい街のひとつなのではないでしょうか。
- image by:石黒まり花
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