クリスマスはケーキより「パネットーネ」?イタリア伝統菓子の魅力に迫る

Array
2022/11/02

近年、クリスマスシーズンにクリスマスケーキに追いつくレベルで人気となっている焼き菓子がイタリアにあります。その名も「パネットーネ(Panettone)」。みなさんご存じですか?

先日、イタリアで人気のパネットーネ職人が来日し学べるイベントを体験してきたので、いま注目が集まるパネットーネについて、改めてご紹介しましょう。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

パネットーネはクリスマスを祝う定番菓子

image by:Shutterstock.com

イタリア人にとってパネットーネはクリスマスを祝うお菓子で、「大きなパン」という意味を持ちます。バターや卵、ドライフルーツをたっぷり使った発酵菓子で、11月も終わりに近づくころになると、イタリアの街にパネットーネが姿を現します。

発祥の地・ミラノの伝統といわれるレーズンとオレンジピールの入ったクラシックタイプから、さまざまなフルーツやナッツの入ったもの、チョコレートを練りこんだもの、パルミジャーノ・レッジャーノやサラミなどを使った塩味のものまで、その味わいは無限ともいわれています。

親しい友人やお世話になった人への贈り物やパーティへの手土産としてもパネットーネは大人気です。

12月はどの家もクリスマスツリーの近くなどにいくつものパネットーネを並べて、クリスマスから1月6日のエピファニー(キリスト教で神様がイエス・キリストの姿で人々の前に現れたことを祝う祭日)のころまでパネットーネを楽しみます。

エピファニーが過ぎてもパネットーネは少しだけ残しておき、2月3日の聖ビアジオの日に最後のパネットーネを食べると喉を守る聖人ビアジオのおかげで、風邪を引かないといわれているそうです。

image by:Shutterstock.com

パネットーネは筒状の紙の型に入れて焼き上げ、表面がドーム型になっているのが特徴です。100g程度のカップケーキサイズから500g、1kg、3kg、5kgといった巨大なものまでさまざまありますが、最も美味しいのは1kgサイズといわれます。

粉と水を混ぜ合わせて作った発酵種を使うため、生地に独特の香りが生まれるほか、驚くほど生地の伸びが良くなるのですが、そのためにはある程度の重量が必要になってくるのです。


カットをしない状態でのパネットーネの保存期間は、乳化剤などを使わない手作りのもので1カ月ほど。好きなだけカットして食べ、残りはパネットーネが入っていた袋に入れて密閉します。

高温多湿を避けて保存すれば、保存期間中に劣化することはほとんどありません。少々固くなっても、電子レンジで軽く温めればふわふわの食感に戻り、美味しくいただけます。

ちなみに、パネットーネが冷えていたり硬くなってしまった時は、50度のオーブンで1分ほど温めると柔らかくなり、バターの香りも立ち上りますよ。

イタリアのスーパー。image by:岡田すみえ

パネットーネの故郷はミラノですが、いまではイタリア各地でパネットーネは作られています。パネットーネを品評するコンテストもイタリアの各地で開催されており、入賞したパネットーネは予約が取れなくなることもあるそうです。

日本でもパネットーネは人気上昇中で、イタリア食材を扱うショップではクリスマスシーズンになるとラッピングペーパーもボックスもリボンも色とりどりに飾り付けられたパネットーネが山積みにされて売られています。

人気のパネットーネは入荷してもすぐに売り切れてしまうほど。ごく一部ですが、イタリアンレストランやパン屋さんでもパネットーネを取り扱っているところもあり、パネットーネを作るのにはすごく手間ひまと時間がかかるので、注文はすべて予約制になっています。

いま読まれてます
エアトリインターナショナル コスパが高いLCC「ジェットスター」直行便でラクラク!ケアンズで大自然の癒やしを満喫しませんか?
クリスマスはケーキより「パネットーネ」?イタリア伝統菓子の魅力に迫る
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます