【井手町】新庁舎訪問!ご当地メニューも充実したカフェ&ショップ併設
京都府南部、お茶の京都エリアにある井手町に2023年7月、新庁舎がオープンしました!新しい庁舎には図書館や生涯学習施設、カフェやショップまで併設され、とっても便利になったのだとか。どのような施設なのか、現地を訪れてみました。
井手町ってどんなところ?
京都府南部にある井手町は京都市街まで電車でわずか30分、奈良まで15分、大阪の中心部まで1時間弱というとっても便利な地にもかかわらず、町の中には玉川(写真左)が流れ、田んぼや畑が広がるなど、豊かな自然がある地です。また奈良時代には、井手左大臣と称された橘諸兄(たちばなのもろえ)が別荘や井手寺(写真右:井手寺跡)を建てたり、平安の女流歌人・小野小町が晩年を過ごした地とも伝えられ、歴史と文化も感じられる町なんです。
そんな井手町の新庁舎ができたのは、町が見渡せる小高い丘の上。どのような庁舎なのか訪れてみました。
ドマとニワのある新庁舎
新しい庁舎には役場の他に、生涯学習施設・山吹ふれあいセンター、図書館、カフェと地元の農産物や特産品などを販売する「テオテラスいで」が併設されています。
見た目は近代的な建物ですが、面白いのは上から見た形。井手町役場と山吹ふれあいセンターは、それぞれ独立したL字形の建物になっているのですが、その中央にドマ、西側にニワと呼ばれる空間があります。
ニワは芝生の文字通りの”庭”。ドマ(戸外と屋内の中間エリア)はイベントを行ったり、災害時の防災活動拠点となるようにと造られたのですが、よーく見ると、なにやら地面に形が描かれています。
実は庁舎を建てる前の発掘調査で井手寺の五重塔跡が出土したのだとか。これはその基壇跡(※)をイメージして舗装したものなんですって。元から庁舎の中央にドマを作る計画はあったのですが、事前の発掘調査でドマの形とピッタリ合うように塔跡が発掘されたのだとか。これはミラクルですね!
※建造物を建てるため、周囲より高く築いた土台
さらにドマにあるベンチの中央はガラス張りになっていて、五重塔の基壇が覗けるようになっています。実際に1200年前の遺跡が見られるなんて感激です。そして、遺跡の見学箇所がみんなが利用できるベンチになっているのも面白いですね。
町のみんなの気配が感じられる役場
それでは庁舎に入ってみましょう。木の香りが清々しいですね。
アクセントカラーのグリーンは井手町の町旗に使われている色なのだそうです。
1階には住民福祉課や保健医療課などの窓口課、それからキッズスペース(写真)に授乳室もあります。これは小さな子どもがおられる方には嬉しいですね。2階には企画財政課や建設課などの専門課や災害対策室、3階は議場や教育委員会などが入っています。
議場も見せていただきました。壁の木や上から自然光がたっぷり入って素敵!床はバリアフリーで、ふかふかの絨毯が敷いてあります。議場の机は移動することができ、フラットなスペースとしても使用できるんですって。
新庁舎で印象的だったのは、木の香りがすることと廊下が広く、窓が大きく切られていること。階段や廊下など、どこからもドマや対面の山吹ふれあいセンターの様子が眺めることができ、建物内にいるみんなの気配が感じられるのがいいなぁと思いました。
みんなが使いやすい山吹ふれあいセンター
続いて、向かい側にある生涯学習施設 山吹ふれあいセンターへ行ってみましょう。名前の“山吹”は井手町の町花なんですって。
1階はピアノがありミニコンサートなどもできる集会室(写真左)やサークル活動にもピッタリな会議室、そして和室(写真右)まであります。この和室がとっても素敵でした。床の間や炉が切られているので、茶道のお稽古だけでなく、本格的なお茶会も開けるそうです。こんな素敵な茶室が使える町民のみなさんが羨ましいですね。
遊び心あふれる図書館へ
2階は、“図書館はみんなの本棚”をキャッチフレーズに8万冊の蔵書を誇る井手町図書館です。
ブリッジ(廊下)を挟んで一般書と児童書エリアに分かれていて、迷路のような気分も味わえます。一般書エリアの方には対面朗読室もあり、あらかじめお願いすれば、対面朗読の技術を持つ町のサークルの方が朗読をしてくださるそうです。
また所々、テーブルとイスを配した読書コーナーを設置。
写真はドマが眺められる明るい席。本を読んで、目が疲れたらドマを眺めるなんて素敵ですね。
ブリッジを渡って児童書エリアへまいりましょう。
ブリッジにはパソコンも使用できる自習コーナーがあります。
こちらが児童書エリア。真ん中の背の低い本棚には児童書、壁側に読み物が配架されています。
本棚はぐねぐねと曲がっていて、こちらも迷路のよう。本を見つける楽しみがありますね。
そして、その先にある“おはなしルーム”が、とってもかわいいんです。カラフルな本棚のところどころに窓が開いていて向こう側が見えたり、本棚の一部がベンチになっていたり、乳幼児が寝転がれる絨毯エリアがあったり。赤ちゃんから小学生低学年まで安心して本を楽しむことができます。
そうそう、このエリアのトイレは男性用、女性用共に幼児用のトイレが設置されて、お湯も出る授乳室もありました。
さらに井手町図書館では小さい頃から絵本に親しんでほしいと、町内の1~3歳の子どもを対象にした「絵本の贈呈制度」があるんですって。親子で好きな絵本を選び、読み聞かせを体験した後、プレゼントしてもらえるといったもの。素敵な制度ですね。
カフェとショップがある、テオテラスいで
新庁舎や山吹ふれあいセンターを見学したら、お腹がすいてきたので1階の「テオテラス いで」へ行ってみることにしました。こちらにはカフェと地元の農産物や特産品、さらに府内の提携地域の品々を販売するショップがあります。まだオープンしたばかりですが、建物の隣に国道24号線のバイパスが開道したら「道の駅」にしたいという想いがあるんですって。
この「テオテラスいで」という愛称は、400件以上の公募の中から選ばれたもの。
井手の“手”を照らす=井手を照らすという意味があり、「もっと脚光を浴びて知ってもらい、多くの人に来てもらいたい」という願いと「地域の方々をはじめ、多くの方の行く手を照らすような、希望あふれる場所になるように」との思いが込められています。
さらに、井手町の“井”の字が“#(ハッシュタグ)”に似ていることから、SNSでハッシュタグをつけると、#テオテラス → イテオテラス(井手を照らす)と読むことができるという遊び心も含まれているんですって。
ご当地メニューもあります
カフェでは、モーニングから平日限定の週替わりランチ、おこさまプレートなどがいただけますが、ぜひ食べていただきたいのが、ご当地ラーメンの「井手じゃんめん」。
“じゃん”とは中華料理で味噌を意味する“醤(じゃん)”のこと。井手町商工会青年部が考案し、地元の仕出し屋さんがプロデュースした特製味噌を使ったラーメンです。
上には歯ごたえの良い山城産タケノコと甘辛肉みそがたっぷり。これはスープを飲み干したくなる美味しさ! 白ご飯とも相性良さそうですよ。
デザートなら、こちらがおすすめ。地元の抹茶を使った抹茶ソフトクリーム(写真右)と井手町にある“金の鶏伝説”にちなんだ井手黄金プリン(写真左)です。“金の鶏伝説”とは、橘諸兄が井手寺に納めた金の鶏のこと。
ある時、お寺が攻められ、金の鶏を守るために和尚さんが土に埋めたのだとか。今も見つかっておらず、町のどこかに埋まっているそうですよ!
プリンはショップで購入も可能なので、そんなエピソードと共にお土産として渡すのはいかがでしょう。
帰りはショップで地元のお土産を。私がセレクトしたのはこちら。
写真の上段左から井手町のふるさと納税で常に上位を果たしている小川武治茶舗のお茶、右隣は米粒を触っただけでどこの田圃のお米の銘柄か分かってしまうという、きくいち本店の新米。
二段目はグルテンフリーの菓子専門店MINORI工房の玄米クラッカー(ぽん菓子)と山城産のたけのこの水煮、3段目はMINORI工房の小麦や卵を一切使わないプラントベースのジェラート。
その他、ショップでは山吹マルシェをはじめイベントも開催されているので、HPをチェックしてみてくださいね。
近々、開催予定のイベント
クリスマスイベント「いでみらくる」
日時:2023年12月16日(土)14:00~18:00
町民や大学生による音楽ステージや地元のコロッケ、古民家カフェのシェフによる料理、ゆるキャラ「いでたん焼き(ベビーカステラ)」などの出店、子供も楽しめるワークショップの開催など盛りだくさんの内容です。詳しくは井手町HPをチェックしてくださいね。
いかがでしたでしょうか。新庁舎は希望をすれば見学することも可能だそうですよ(役場にお問合せを)。
ぜひ、木の香る新庁舎や図書館、テオテラスいでを訪れてみてくださいね。
■■INFORMATION■■
井手町役場
住所:京都府綴喜郡井手町大字井手小字東高月8番地
TEL:0774-82-2001(代表)
テオテラスいで
TEL:0774-82-5600
営業時間:カフェ8:00~16:00/ショップ9:00~16:00
休業日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日休み)、年末年始
- source:KYOTO SIDE
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