大手か?LCCか?台湾行きの航空便、どっちが便利?「第三の勢力」も台頭
日本から近い海外として人気が高い「台湾」は、日本各地から多くの航空会社が就航しています。台湾や日本の大手航空会社、そしてLCC(格安航空会社)の便も数多くあり、選択肢の幅が広がっています。
近年、高級路線のエアラインとして台湾のスターラックス航空が登場し、話題に。台湾を旅行するのにどの航空会社を選ぶのがベストなのでしょうか。これまで何度も台湾へ渡航してきた筆者が、航空会社ごとの特徴やおすすめポイントなどを紹介します。
日本と台湾を結ぶ主な航空会社、地方空港発着も続々
まず、日本と台湾を直行で結ぶ航空会社は以下の通りです。※はLCC
【日系】
全日本空輸(ANA)
日本航空(JAL)
ピーチ・アビエーション(peach)※
ジェットスター・ジャパン ※
【台湾系】
チャイナエアライン
エバー航空
スターラックス航空
タイガーエア台湾 ※
【その他】
キャセイパシフィック航空
スクート ※
タイベトジェット航空 ※
日本での発着空港は、東京(羽田・成田)、大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡、札幌(新千歳)、沖縄(那覇)をはじめ、函館、仙台、小松、熊本といった地方空港にも、意外なほど多く就航しています。特に最近「なぜ、日本の地方まで便がある?」というのは、台湾人の日本人気が主な理由です。
大手航空会社の台湾便。機内食と安心のサービス
大手航空会社、その主な特徴として「運賃が安定している」「手荷物に寛容」「スタッフが多いので搭乗手続きであまり待たずに済む」などが挙げられます。
ほかに、「搭乗ゲートが近くてターミナル内の移動が少ない」「機内食がある」「座席に電源やモニターがある」など。運賃は通常やや高めですが、「航空券+ホテル」のセットなどで安く販売されている場合も。
LCCとの最も大きな違いは、「欠航や大幅遅延など万が一の時にサポートが万全」という点です。トラブルが起きた時ほど、航空会社の「差」を実感します。海外でトラブルに遭遇すると、国内よりも大変。もしも台湾が初めてだったり、海外旅行の経験がまだ少なかったりする人は、まずは大手航空会社を選ぶのが無難です。
台湾らしさならチャイナエアラインかエバー航空、日系のANAやJALは国内旅行とほぼ変わらず、日本語が通じる安心感があります。
キャセイパシフィック航空は香港の航空会社ながら、サービスの高さは定評あり、実は台湾便での狙い目とも言えます。
LCCの台湾便。運賃はリーズナブル、でも注意したい点多々
日本から台湾までのフライト時間は3~4時間ほど。この時間なら、LCCでも十分耐えられる人も多いでしょう。LCCはまず「運賃が安い」ことで、旅費の節約にありがたい存在です。セールも多いので、要チェック。
一方で、「機内食やドリンクが有料」「座席に電源やモニターがない」「シートピッチが狭い」「搭乗ゲートが遠い」など、大手航空会社のような快適さはほぼ期待できません。トラブル時のサポートも手厚くなく、トラブル時の延泊などは自己手配や自己負担など強いられることも。
特に、「手荷物ルールが厳しめ」で知られます。機内持ち込み手荷物は1個+1個の合計2個で7kgまで、搭乗手続き時にカウンターで預ける手荷物は基本1個から有料です。空港で重量や個数をオーバーすると追加料金が高額。土産など増える帰国便は要注意です。
LCCによっても差があります。例えば、機内持ち込み手荷物で、peachは合計7.0kgまでである一方、ジェットスター・ジャパンは7kgに加えてさらに7kg分を追加購入可。
スクートは2個で合計10kgまで持ち込みでき、この3kgの差は大きいです。LCCは乗客180席ほどの小型機が多いものの、スクートは中型機の最新「ボーイング787」(329~375席)で快適。
早朝や深夜という時間帯に出発、到着するLCCを利用する「弾丸旅」も、若者を中心に人気です。例えば、東京(羽田)-台北(桃園)便で、peachとタイガーエア台湾が運航しています。仕事終わりで台湾へ、また台湾帰りでそのまま仕事へ行きたい人に最適でしょう。
話題の「スターラックス航空」はここがすごい! 実体験から
台湾の新興航空会社、スターラックス航空が話題です。2020年にデビューし、高級路線で日本をはじめ世界各地へ就航ネットワークを広げています。
スターラックスでは、機内食・ドリンクあり、座席には電源と大きなモニターに映画などのラインアップは豊富で、飛行機も新しく、フライトは快適そのもの。スタッフの数も多いため、搭乗手続きはとてもスムーズです。
公式サイトは日本語対応、機内には日本人客室乗務員もいて、言葉の心配もほぼありません。預け手荷物は1個(最大23kg)無料。
運賃は大手航空会社より少し安く、LCCよりやや高め。しかしそれでも、予約段階からフライトまで、いずれの点においてもレベルが総じて高く、一度利用するとリピーターになってしまうのもうなずけます。
台北2つの空港、台湾南部「高雄」へ直行便も。使い分け便利
台北には、2つの空港があります。市内にある「松山空港」と郊外の「桃園空港」です。松山空港は台北中心部にあって便利で、大手航空会社のみ就航。しかも羽田便のみで、他の空港発着より運賃は高めです。
一方、大手航空会社に加え、LCCやスターラックス航空の便はすべて桃園空港発着。空港から台北市内のホテルまで約1時間はかかります。その分、運賃はリーズナブル。
台北のほか、台湾南部の「高雄」への直行便もあります。台湾南部を旅行する場合、高雄発着が便利。さらに、以前は台湾中部の台中への直行便が運航されていたことも。台湾は面積がそれほど大きくないとはいえ、空港や航空会社の「使い分け」も重要です。
台湾旅行のプラン次第で、航空会社もしっかり確実に選ぼう
台湾旅行は、最低でも2泊3日、できれば3泊4日は欲しいところ。しかし、仕事がなかなか休みづらい人だと、0泊2日の弾丸旅、リピーターだと1泊2日で行きたい場所にピンポイントで訪れる人も少なからずいます。
旅行という限られた日程の中で、航空会社選びはとても大事。短期間でリスクを冒したくない場合はサポート万全で快適、心配事が少ない大手航空会社で、旅費の中で飛行機も手荷物も最低限で良いという人にはLCCが良いでしょう。
航空券は、大手航空会社の場合、片道で買うより往復で買ったほうがお得。一方、LCCは片道ずつ販売されていることが多いため、行きと帰りで違うLCCを利用するのも手です。
運賃や時間帯、発着空港、さらに航空会社にもこだわって旅のプランを立てはいかがでしょうか。航空会社それぞれに特徴あり、旅の楽しさが確実に増えることでしょう。
- image by:Sirada Wichitaphornkun/Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。