言葉を失うほどゴージャス。世界のVIPをもてなす「迎賓館・赤坂離宮」
迎賓館の中はこんなにゴージャス
館内の観覧は、設けられた順路で外からの特設階段を上り、「彩鸞の間」から入って行った。
鸞は架空の鳥で、暖炉の両脇に金色の浮き彫りで配されている。
白が基調の部屋にシャンデリアが下がり、10枚の鏡は部屋を広く感じさせる。フランス(ナポレオン1世時代)で流行したアンピール様式と言うのだそうである。
続いて「花鳥の間」、木曽産のシオジ材と言う茶褐色の腰壁がしっとりとした雰囲気の中、その中段を飾る30枚の楕円形の七宝に、花や鳥が描かれているのである。この部屋は主に、国・公賓の公式晩餐会が催される大食堂であるとのことだ。
次の「朝日の間」は国・公賓用のサロンに使われ、表敬訪問や首脳会談等が行われた数枚の写真が展示されていた。部屋の周囲にノルウェー産の大理石の円柱が16本、壁には京都西陣の美術織物が張られ、床は桜花を紫色で織り出した見事なものであった。
この建物で最も大きな部屋である「羽衣の間」は歓迎行事やレセプション、会議、晩餐会など広く用いられてるとのこと。天井に謡曲「羽衣」の趣で描かれた300㎡の大絵画が、また白い壁には楽器、楽譜をあしらった石膏の浮き彫りが、華やかな演出を想わせる雰囲気であった。この部屋の3基のシャンデリアは部品が7000個にも及び、高さ3m、800kgの最も豪華なものである。
迎賓館のシャンデリアはすべてフランス製でアントワープより輸入されたものだそうである。全般的にフランス18世紀末の古典主義様式で、ベルサイユ宮殿に倣ったと言われる所以であろう。
いづれも2階の部屋であったので、そこから中央階段の脇を通ってホールから観覧出口に向かう観覧順路を進んだ。一階の正面玄間からこちらに向かう階段には大理石に赤い絨毯が敷き詰められ、上がって2階大ホール正面に向かい合うと、入り口の壁には小磯良平の「絵画」と「音楽」の油絵が飾られている。
訪れた客は、ここで心の寛ぎを得る機会を与えられるのであろうか――。
外に出て、大きな噴水池のある主庭を観た。快晴の青空が広がる日だったのが余計に幸いして、秋の爽やかな迎賓館全景を眺める事が出来た。
帰り口が正面になるので、西入口脇から正面に廻った。正面の広場までは時間と人数を限って無料で一般に開放されているので人影も多かった。
正面から眺める建物は少し仰々しい程装飾の凝らされた印象を受けた。
バルコニーのついた正面玄関があり、緑青の屋根には日本の甲冑を形どった装飾が左右対称をなし手じ掲げられ、中央部には菊の紋章が飾られている。バルコニー2階右側のレリーフは麦や果実等の農作物・農機具、スパナ・ハンマー等の工具がデザインされ、農業・工業の振興を意味しているのだそうである。ここでも所々に桐紋と鳳凰(桐紋は皇室と日本政府を表す)が配されている。また、建物左右の入口は其々皇太子・皇太子妃の玄関として想定されたものであるとのことである。
迎賓館
東京都港区元赤坂二丁目1-1
Tel: 03-5728-7788(※電話での申し込みは不可)
前庭
ネット申し込み不要・無料
人数制限なし/自由参観本館・主庭、和風別館
事前予約はこちらから(事前予約しない場合は、当日の整理券が必要)
料金 大人 1,000円/中高生 500円 /小学生以下 無料
※毎週水曜日の休館日、又は接遇等のため非公開公開状況はこちらから
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- image by: 内閣府 公式サイト
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