「水分補給」と「かけ湯」。入浴前に必ずすべき2つのこと
一番重要なのは、入浴前の水分補給及び、しっかりとしたかけ湯であろう。
僕が通っている草津の時間湯湯治では、必ず500mlペットボトル飲料を用意し入浴前に水分をとらないと、お湯に入れてもくれない。
入浴前には手順があり、まず足先だけに手桶で20—30杯かけ湯をし、さらに頭にタオルをかぶせて、頭だけに手桶で30杯かけ湯をする。 しかるのちに、下半身の前と後ろを清めつつ、5杯ずつ程度のかけ湯をする。
これだけしっかりとかけ湯をしないと、湯長さんは入浴させてくれない。それだけ、入浴のリスク、つまり「かもしれない」を減らすべく、効率的に編み出された入浴法なのである。
しかも、3分間の入浴ののち、湯船から上がった際も、いきなり立ち上がると叱られる。 全身が水圧から開放されることで、血液が頭から下半身などに移動するために、脳貧血を起こして転倒する可能性があるからだ。 よって、湯から上がっても、浴槽の縁にしゃがんで20秒くらい休むことになっている。
たった3分間だけの入浴とは言っても、なにしろ48度近い激アツ湯である。
江戸時代末期から脈々と続けられてきた歴史の中には、事故を未然に防ぐ「かもしれない」入浴法が確立しているのである。
入浴事故の多くは冬に起こっている。 これからの時季、大いに注意したい。
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- ※初出:MAG2 NEWS(2017年10月29日)