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知られざる東京の孤島「青ヶ島」にある、秘境感あふれる天然サウナ

飯塚玲児
飯塚玲児
2017/05/23

元『旅行読売』編集長・飯塚玲児さんのメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』。今回は日本一人口の少ない村としても有名な、東京の孤島「青ヶ島」の天然サウナに飯塚さんが入りに行った際のレポートをお送りします。行くのはとても大変だけど、他では絶対にできない経験ができる島。一度は行ってみたいと思いませんか?

東京の孤島の温泉取材秘話

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青ヶ島からの眺め(画像提供:青ヶ島村役場)

どこか温かいところの温泉ネタがないかなぁ、と考えていたとき、伊豆諸島の南に浮かぶ秘島青ヶ島の温泉のことを思い出した。そんな島に温泉があるのかと思うかもしれないが、あるんだな、これが。

ただし、お湯ではなくて温泉蒸気である。 温泉法の定義では「地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気その他のガス……」とあるので、お湯でなくても温泉なのだ。

そんな約60度の地熱温泉蒸気が満たされたサウナに入れる施設が、『青ヶ島村ふれあいサウナ』である。 男女別のサウナのほかに、内風呂(これは真水を湧かしたもの)もあり、シャンプーやリンスもそろっている。

施設の裏手に「蒸し場」があって、10年ほど前に取材に行ったときには、ここの温泉蒸気でジャガイモやくさやを蒸し島の名産品ひんぎゃの塩」で味わった。 くさやはあの強烈な臭みがまろやかになって、しかも旨味は増しているという具合で、非常においしかった。 温泉蒸気はエラい。

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こちらが「ひんぎゃ」(画像提供:青ヶ島村役場)

しかしこの青ヶ島、行くのが結構大変。 まず八丈島まで行き、そこから船(約3時間)かヘリコプターで行く。 ヘリは確か30分もかからなかったと記憶しているが、何と大人片道が1万円以上もする。仕事でなかったら乗れないな。

船が着く港はすごい断崖の下にあって、ぐねぐね道を車で下りていく。その途中、海から50メートル近く上のところに、どういうわけか漁船が置いてある。 これくらい上げておかないと台風のときに波にさらわれるらしい。

島内の公共交通機関は皆無 レンタカーを借りるか歩くしかない。 ちなみにふれあいサウナは港から徒歩30分。 あの急坂を登っていくことを考えると、ぞっとする。 取材の時は町の観光課の人が付いてくれて車で巡った。

それに、何たってこの島は番地がないのだ。 当時のことだが、民宿6軒、居酒屋1軒、商店1軒、タバコ屋1軒しかなかった。 むろん役場などはあるんだけど、住所はすべて東京都青ヶ島村無番地で着く。すごい。こんな秘境の島の温泉にも入っているとは、我ながらたいしたもんだと思う。

【著者プロフィール】飯塚玲児/愛知県生まれ。紀行作家、郷土料理写真家。編集部記者として月刊誌の編集に携わりながら全国各地を取材。『クチコミおでかけ旅情報』編集長、創刊50年を誇る現役最古の旅行雑誌『月刊旅行読売』の編集長を歴任したのちに退職、独立。これまで編集した雑誌や情報誌は数100冊、過去に泊まった宿は800軒余、入浴した温泉は3000湯を超える。現在、週刊メルマガ「飯塚玲児の“一湯”両断!」と、記事単位で人気作家の記事が読める「mine」にも掲載。公式ブログ

知られざる東京の孤島「青ヶ島」にある、秘境感あふれる天然サウナ
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