歌川広重に魅了されたイタリア人が撮った「今の東京百景」

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2018/05/04

浮世絵師の歌川広重の傑作「名所江戸百景」。広重の晩年に当たる1856年2月から1858年10月にかけて制作されました。この作品に魅了されたイタリア人写真家、ジョゼッペ・デ・フランチェスコさんが、現代の東京百景を撮影。その写真展「東京百 HOMAGE TO HIROSHIGE 江戸百」が5月8日から開催されます。

「名所江戸百景」とは

その死の直前まで制作が続けられたという広重の代表作名所江戸百景」。最終的には完成することができず、二代広重の補筆が加わって刊行されています。

何気ない江戸の風景ですが、近景と遠景の極端な切り取り方やズームアップを取り入れるなど、当時としては斬新な構図が多く、視覚的な面白さ、風景浮世絵としての完成度は随一とも言われています。江戸の人々を魅了し、当時のベストセラーになり、後摺りを重ねたほか、ゴッホやホイッスラーをはじめとする西洋の画家に多大な影響を与えたシリーズでもあります。

広重へのオマージュ

この160年ほど前に作られた作品に魅了されたイタリア人写真家ジョゼッペ・デ・フランチェスコさんが、広重へのオマージュ作品として2016年からスタートした「東京百」というプロジェクトを完成させました。

写真家・Giuseppe De Francesco

このプロジェクトでは、「江戸百」の世界を彼独自の視点で解釈し、現代の東京をカメラに収めています。普段住み慣れているはずの東京の街が、新たな視点で表現されていることと、浮世絵の制作技術を継承するアダチ版画の彫師・摺師が色鮮やかに蘇らせた復刻版浮世絵「名所江戸百景」の中から厳選した名作を紹介します。

浮世絵と写真という二つの異なる表現を通して、広重が描いた「名所江戸百景」の魅力を改めて感じていただくとともに、時代を超えて人々を魅了する街江戸・東京」をぜひ楽しんでみてください。

「赤坂の桐」時を超えシンクロする風景
「高輪消防署」江戸には火の見櫓があった場所に
「秋葉原の店」店も街行く人も変われど、似た景色
「お台場にガンダム」見比べるとガンダムの巨大さが実感できる不思議
「夜のトラック入金」どちらももの寂しい夜
「愛宕神社から丘の上の眺め」江戸も東京も神社はそのまま

もっと江戸と東京を見比べたい方は、ぜひ写真展に足を運んでくださいね。2018年5月8日(火)〜5月20日(日)の期間に下記の場所で開催しています。

観光地情報
  • 「東京百 HOMAGE TO HIROSHIGE 江戸百」
  • アダチ伝統木版画技術保存財団 常設展示場   東京都新宿区下落合3-13-17
  • 料金:入場無料
  • 日程:2018年5月8日(火)〜5月20日(日)
  • 時間:火〜金曜 午前10時〜午後6時、土・日曜 午前10時〜午後5時、月曜・祝日 休館
  • foundation.adachi-hanga.com

image by: TOKYO HYAKU 東京百

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旅をこよなく愛する編集者。情報誌やエンタテインメント誌、ビジネス誌などで編集・ライターとして経験を積み、中国上海、カンボジア・プノンペンでの在住経験も有。2015年に帰国してからフリーライターとしてワークスタイルを確立。幅広いジャンルのテーマで執筆している。

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