悪縁を断ち良縁を結ぶ。京都最強の縁切り神社「安井金比羅宮」
京都市東山区の「安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)」をご存じでしょうか。この神社は知るひとぞ知る「縁切り神社」と呼ばれる人気パワースポットで、そのご利益は「悪縁を切り、良縁を呼び込む」といわれており、全国からの多くの参拝者でにぎわっています。
今回は、この「安井金比羅宮」について、歴史やそのご利益や魅力についてご紹介します。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
目次
その起源は藤原鎌足創建の「藤寺」
「安井金比羅宮」の歴史は古く、天智天皇の治世、つまり飛鳥時代に遡ります。この時代の、「藤原氏」始祖であり大化の改新の中心人物である藤原鎌足が一族の繁栄を願って創建した「藤寺」が起源とされています。
この藤寺は鎌倉時代に光明院観勝寺となり、戦後時代や明治維新の神仏分離を経て、第二次世界大戦後に「安井金比羅宮」となりました。
京都最強ともいわれるご利益「縁切り」のチカラ
本殿には主祭神の崇徳(すとく)天皇をはじめ、三柱の御祭神が祀られています。そして安井金比羅宮は、鳥居にも「悪縁を切り良縁を結ぶ祈願所」と大きく書いてある通り、縁切りに大きなご利益があるとされています。
しかもそのパワーは、なんと古都・京都に数多くある寺社仏閣なかでも最強といわれるほどなのです。
ではなぜ、そのようなパワーがあるのでしょうか。その由縁は、この神社の主祭神である崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことにあります。このため、古来より断ち物の祈願所として信仰されてきたのです。
しかもただ縁を切るだけではなく、良縁へ導いてもくれるという素晴らしいパワーがあるそう。その内容は男女の縁、病気、酒、煙草、賭事などなど、すべての悪縁を切り、良縁へ結びつけてくれます。
境内には、「縁切り縁結び碑」と呼ばれる高さ1.5m、幅3mの絵馬の形をした巨石があります。この碑は、中央の亀裂を通して神様の力が円形の穴に注がれているといわれています。
ご祈願の方法(ルール)は?
気になる御祈願の方法ですが、まずは手水で清めたあと本殿へ参拝し、本殿近くの形代授与所にて「形代」という身代わりのおふだをいただきます(要お賽銭)。
その形代に切りたい縁・結びたい縁などの願いごとを書き、形代を持って願いごとを念じながら碑の表から裏へ穴をくぐります。
これでまず悪縁を切り、次に裏から表へくぐって良縁を結びます。そして最後に形代授与所で用意されているノリを使い、形代を碑に貼ります。
穴は大人が這ってやっとくぐれるほどのサイズなので、訪れる際は動きやすく汚れてもよい服装がおすすめです。
安井金比羅宮は休日になると行列ができるほどの人気。特に若い女性が多く、周りの目が気になってお願いごとに集中できないこともあるかもしれません。
でも、安井金比羅宮は24時間参拝が可能。じっくり参拝したい方は近くに宿をとって、夜中にそっとお願いごとへ伺ってみてはいかがでしょうか。
「絵馬の道」や「久志塚」も魅力のひとつ
安井金比羅宮の魅力は「縁切り」だけではありません。参道は「絵馬の道」とも称されるほど、絵馬で有名です。
境内には無数の絵馬が奉納されており、人間関係の縁切りへの強い願いが伝わるものが多くて驚くと思いますが、縁結びのパワースポットでもあるため、良縁を願う絵馬もたくさん奉納されています。
そしてもうひとつ、特に女性におすすめなのが、境内の一角にある「久志塚」です。この塚は、古くなった櫛を供養するために1978(昭和53)年に築かれました。
美髪や美容にご利益があるとされているため、美容に気を使いたい女性や男性、美容師や理髪師の方などは、ぜひ一緒にお参りすることをおすすめします。
なお、毎年9月第4月曜日には「櫛まつり」も開催されます。京都の秋の風物詩ともいえるお祭りで、久志塚の前で櫛供養の式典が行われた後、古代から現代までの各時代の髪型に結った女性達が祇園界隈を歩きます。
風情ある祇園のまち並みと歴史あふれる女性たちの髪型は、非常にノスタルジックで一見の価値ありですよ。
社務所で「えんきり」と「えんむすび」お守りをゲット
参拝の際には、ぜひ社務所にも寄ってみましょう。こちらには絵馬やおみくじ、数々のお守りなどが用意されています。
お守りは、縁切り用の赤い「えんきり」と書いてあるお守りや、青い「えんむすび」と書いてある縁結びのお守りのセットなど用意されています。
自分用でもよし、大切な誰かにプレゼントするのもいいですね。
人はビジネスでも、プライベートでも、さまざまな「縁」にとりまかれています。「安井金比羅宮」のパワーで、悪縁を断ち切り、良縁に結び付けてみてはいかがでしょうか。
- 安井金比羅宮
- 京都市東山区下弁天町70
- 075-561-5127
- 祇園四条
- 公式サイト
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