歌人に愛された富山の絶景。ドライブで立ち寄りたい道の駅「雨晴」

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2019/04/04

どこか内省的な気持ちにさせてくれる道の駅

道の駅「雨晴」の魅力は、その景観にあります。

もともと景観の美しい場所に、落ち着いて景観を楽しめる休憩所を作ろうという話でスタートしていますから、敷地面積約4,100平方メートルの敷地一部に地上3階建てで作られたRC造の建物は、2階、3階が基本的に展望を生かす設計になっています。

2階に入った飲食店「Cafe ISOMI TERRACE」は、磯見という言葉が店名に使われているように、大半の席がオーシャンビュー。窓際の席でなくても室内の壁面はほぼガラス張りで統一されていますから、どこに座っても海岸の展望を楽しめます。

飲食店を出るとイベント開催などにも活用される展望デッキがあり、階段を上れば3階にも展望デッキが設けられています。

道の駅の目の前には国道が走っていますが、その国道沿いにはJR氷見線が通っていて、その線路の向こう側はすぐ海が広がっています。展望デッキを歩いていると、磯の香りが感じられるくらい海がすぐそばにある環境です。

富山湾は南国の海と比べて、陰影を帯びた味わいが濃厚にあります。眺めているだけでどこか、過ぎ越し方を振り返りたくなる奥深さが風景にあるのですね。

道の駅「雨晴」のコンセプトも、時間的・距離的に「とおく」を感じられる場所にするという狙いがあるのだとか。自然と内省的にさせてくれる場所ですから、ドライブの合間に落ち着いて時間を過ごしたいですね。

海岸から眺める富山湾もやはり美しい

道の駅「雨晴」は海沿いにあるため、建物を出て道路を渡れば、30秒も経たずに海岸に降りられます。「渋谿(しぶたに)」と万葉集で詠まれた場所で、「谿」とは見慣れない漢字ですが、『漢字源』(学研)によれば「糸がつながるような細い谷」という意味があるそう。

谷と言われるくらい岩が目立つ浅瀬で、筆者はかつて海から小さなボートに乗って雨晴の方を眺めた経験がありますが、それこそ岩礁で岸辺に近づけなかったと記憶しています。


道の駅「雨晴」に足を運んだら、ぜひとも海岸まで足を運んでみてください。海岸浸食のため、もはや白砂青松の景勝地とは言えないくらい、砂浜が狭くなってしまっています。それでも砂浜を足で踏むと、やはりコンクリートの上を歩いているときとはまた違った感慨が得られるはず。

古くから歌人に愛され、今もなお人々を引き付けてやまない絶景を、ぜひとも砂浜の上からも満喫してみてくださいね。

  • 道の駅「雨晴」
  • 富山県高岡市太田24番地74
  • 年中無休
  • 営業時間:24時間/飲食店・ショップは9:00~19:00
  • 道の駅「雨晴」公式サイト
  • 駐車場台数:大型4台、小型車34台、身体障がい者用1台/サイクルステーション、駐輪場、メンテナンススペース有り

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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