バトラーもいるよ。葉山の海を独り占めする、おこもりホリデー
湘南からさらに三浦半島方面へ足を伸ばした葉山は、ゆったりとした雰囲気のなかにオシャレなお店が点在するハイソなビーチタウンです。海や山、川といった自然に恵まれるこの地は、鎌倉の奥座敷と表現するのがぴったりで、明治以降、保養地や別荘地として皇族や政財界などの人々に愛されてきました。
そのため、このエリアにはいかにも別荘という感じの邸宅が点在します。御用邸のある一色海岸の付近には、海へと続く細い路地裏に、いまでもそこだけ時が止まったかのような美しい日本家屋があります。
そして車で国道を走れば、海岸側にはインテリア誌のグラビアを飾りそうな瀟洒な豪邸が並び、山側の高台には超モダンな邸宅がそびえています。
今回ご紹介するのは、そんな新旧ハイエンドの建築物が密集する葉山エリアにおいて、一際目をひくバケーションレンタル「HAYAMA Funny House」です。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
1日2組限定、モダンでアートな吉村イズムを体験できる海辺の邸宅
「HAYAMA Funny House」があるのは、葉山から車で5分ほど南下した秋谷の久留和海岸。スープカレーで有名な「南葉亭」の裏といえば、わかる人はわかるはず。先に「一際目をひく」といいましたが、車が走る国道134号線からはその存在はまったくわかりません。
あっと視線がクギづけになるのは、秋谷近隣の海から眺めたときの話です。そんな隠れ家的立地も、リゾート好きの心をくすぐりますね。
もともとは「湘南秋谷の家」と呼ばれていたこの邸宅は、近代日本を代表する建築家・吉村順三氏が1965年にふたつの家族のために建てた作品です。
2015年に“吉村イズム”を随所に残したリノベーションを行い、鉄板焼きレストラン「Funny Dining HAYAMA 」を兼ねた「HAYAMA Funny House」としてバケーションレンタルがスタートしました。
ローカルの人しかやってこない静かな久留和海岸に面する約600平米ある敷地は、海岸線に沿って横に長く、この横に長い立地を活かして2つのヴィラとレストランが配置されています。つまり、敷地内のどの場所からもバーーーンとダイナミックに目の前に広がる海を眺められるというわけ。
約200平米ある各客室は、それぞれに広いテラスと海を眺めるジャグジーを中心とした、海辺の家らしい開放的な間取りです。
額縁のように窓枠を大きく取ったリビングや、微妙な光の入り具合まで計算し、天井照明を必要としないようデザインされた空間に、さすが“作品”としての品格を感じます。
ちなみに1965年といえば、昭和40年。東京オリンピックの翌年となりますが、この家がいまから半世紀以上も前の建造物ということに驚きを隠せません。そのモダンで斬新なデザインは、一見の価値あり!です。