旅のプロも驚いた。300円で乗れちゃう中国の新幹線「高速鉄道」

新幹線の乗車券が、なんと300円!

12月1日、常州バスターミナルから常州の中心部にある宿を経由して常州郊外の宋家村まで17kmを歩き、バスを乗り継いで宿まで戻っています。から歩きだしました。もちろん歩き終えた地点からバスで常州中心部の宿に戻ってくるのが前提で、背負った荷物はデイパックひとつです。

国道312号線を調子よく歩き、34km歩いて丹陽市の丹陽バスターミナルに到着。ここからバスで常州の宿に戻ろうとして窓口で切符を買おうとすると、

「常州行きのバスはない。電車しかないよ」

といわれ、そこからさらに3.5km歩いて丹陽駅へ。

夜の高鉄ホームは閑散としていた image by:あるきすと平田

丹陽駅から約50km離れた常州へは在来線の京滬線(けいこせん)と新幹線(高鉄)の滬寧線(こねいせん)が利用できるが、貧乏旅行者はもちろん在来線を選ぶつもりだったのに、地図アプリを見誤ってわざわざ遠回りして駅に到着したところ、そこは新幹線口。

どうしようか迷ったものの、時刻はすでに午後6時前。

朝、お粥を食した以外なにも口にせずに歩いてきて腹が減っていたし、早く常州の宿に戻って熱いシャワーを浴びたい…。

新幹線なら乗車賃が高くつくだろうけれど、一度ぐらい贅沢してやれ。そんな気分で窓口で6時6分発のチケットを買ってみて驚きました。

丹陽発常州行き高鉄のチケット image by:あるきすと平田
日本の初期新幹線とよく似た高鉄車両が滑り込んできた image by:あるきすと平田


「えっ、19.5元?つまりえーっと日本円で…300円!?新幹線料金が300円!?」

ペラペラの切符を受けとって拍子抜けでした。たしかに日本の新幹線ほどの料金はしないだろうけれど、50kmも乗るんだから日本円で1,000円以上はするだろうなあと想像していたから、300円とわかったときは本当に新幹線の切符なのか不安になりました。職員が在来線と間違えて発券したんじゃないか…。

しかし切符には列車番号が、「G7083」と記されています。「G」は高鉄(GAOTIE)を指すのでやはり新幹線です。国は違っても新幹線がたった300円で乗れることに感動しました。

と同時に、これまで高鉄を利用してこなかった自分を責めました。というのも、僕が上海からずっと歩いている国道と高鉄とはほぼ並行していて、利用できる機会は何度もあったはず。

常州発鎮江行き高鉄のチケット。約500円 image by:あるきすと平田

高鉄料金は高いと思い込んでいて利用しなかっただけですが、実はバス代のほうが高鉄より高価だったんですよ。これまで利用したバスは、50kmほどの距離だと日本円でおよそ500円前後、乗車時間も1時間~1時間半でした。

高鉄ならたった300円だし、しかも乗車時間が15分程度と圧倒的に速い!

鎮江駅高鉄ホーム image by:あるきすと平田

さらに鎮江から丹陽までならたった150円!新幹線が150円

ああ、無知というのは罪ですね。バカバカバカ。本当にバカなわたしでした。

しかし無知から知になった現在、高鉄を通勤に利用することにためらいはない。が、今後高鉄を利用できるのは、ここ鎮江と南京約70kmのあいだにある唯一の駅、宝華山駅ぐらいか。あーあ、もっと早くに気づきたかったなあ。

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1962年4月13日富山県魚津市生まれ。横浜市立大学卒。大学1年で横浜から富山まで東海道・北陸道経由で18日間歩き、3年のとき東京深川から山形県鶴岡市まで23日間かけて奥の細道を歩いたことで、徒歩旅行の魅力にハマる。卒業後は中国専門商社マン、週刊誌記者を経て、ユーラシア大陸を徒歩で旅しようと、1991年ポルトガルのロカ岬を出発。おもに海沿いの国道を歩きつづけ、路銀が尽きると帰国してひと稼ぎし、また現地へ戻る生活を約20年間つづけている。

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