人魚のモデルになった深海魚。福井で2匹が目撃された「リュウグウノツカイ」

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2020/03/08

「美ら海水族館」では人工授精にも成功している

イメージです。image by:Shutterstock.com

リュウグウノツカイは水深200mに暮らすため、立派な深海魚になります。浜辺に打ち上がると大地震が起こるなどと迷信もあるほどの珍魚ですが、どうして普段は深海に暮らす魚が、陸地からビデオ撮影できるくらいの浅瀬に出てくるのでしょうか。

その理由のひとつには、荒天が挙げられるようです。

<荒天の後、ことに日本海沿岸へ厳冬期〜初春に漂着することが多い>(『日本古来の人魚、リュウグウノツカイの生物学』より引用)

過去のニュースを振り返ると、例えば日韓共催のFIFAワールドカップが開催された2002年には、佐賀の離島で巨大なリュウグウノツカイの死体が打ち上げられたと地元の新聞が報じています。

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他には、漁船の網にかかるケースもあります。沖縄県の美ら海水族館が2019年に世界で初めて人工受精に成功したときも、最初は漁船の網に2匹のリュウグウノツカイ(雄と雌)が入ったところから始まっています。

魚を水族館に運び込んだところ卵が見つかったため、人工授精を行い、ふ化に成功したのですね。

しかし、稚魚はえさを与えても食べず、次々と死んでいったといいます。その点を考えても、生きたリュウグウノツカイを水族館の展示で眺められる日は、まだ先なのかもしれませんね。

日本海に面したロシアの海水浴場でも見つかっている

イメージです。image by:Shutterstock.com

一般の人に生け捕りにされるケースもあります。例えば、同じ日本海に面したロシアの沿海地方(ロシアの極東)で、海水浴客がリュウグウノツカイを捕獲したケースがあります。

ロシアの海水浴場に「不運にも」現れたリュウグウノツカイは、海水浴客に捕まり、皆の見世物になりました。発見者はリュウグウノツカイを持ち上げ、周囲の海水浴客との記念撮影に応じ続けたといいます。

撮影が行われた数十分の間、リュウグウノツカイを水につけては持ち上げ、ロシア人の発見者は周りの記念撮影に応じていたと、ロシアの通信社sputnikが報じています。


日本海に面したロシアの沿海州で見つかったように、やはりリュウグウノツカイは日本海沿岸に現れている印象にあります。

日本海側にある富山県の魚津水族館では2009年から記録をつけているそうで、2019年は1年で13匹が確認されたのだとか。

魚津水族館とはちなみに、過去記事にご紹介した現存する日本最古の水族館になります。この水族館にも模型やリュウグウノツカイの標本が展示されています。

先ほどは福井県越前町の目撃例(ビデオ撮影に成功)を出しましたが、2020年の新年早々1月4日には福井の敦賀市でも、釣りをしていた子どもたちと祖父に、生きたリュウグウノツカイが目撃されています。

<鹿島灘から鹿児島、佐渡から山口県までの間の所々>(『原色日本海水魚類図鑑1』より引用)

という文章を先ほど引用した通り、佐渡から山口県までの日本海側は、特にリュウグウノツカイが現れやすいエリアとして考えらえれるのかもしれませんね。

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