人魚のモデルになった深海魚。福井で2匹が目撃された「リュウグウノツカイ」

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2020/03/08

生きたリュウグウノツカイを見るには福井がベスト?

福井県小浜市にあるマーメイドテラスimage by: 福井県観光連盟

一時期、美ら海水族館でふ化に成功したという話を先ほど紹介しました。残念ながら稚魚はすぐに死んでしまったようですが、リュウグウノツカイの研究においては大きな前進があったみたいですね。

こうした研究の積み重ねで、本物の生きたリュウグウノツカイを水槽の中で眺められる日が、近い将来に来るのかもしれません。仮にどこかの水族館が展示に成功したとなれば、たちまち長蛇の列ができそうなイメージもあります。

八百比丘尼が800歳の生涯を終えたとされる洞穴image by: 福井県観光連盟

実際に2015年の「のとじま水族館」(石川県)のように、数時間だけでも水槽で展示を試みた例もあります。

<今回搬入された個体は「生存している」個体でした。衰弱しきっていたのですが、生きている姿を少しでも見たい、見てもらいたいという思いから、大水槽へ収容・展示を試みました。数時間しか生かすことができず、その日のうちに死亡してしまいましたが、水中で背びれを動かす貴重な姿を見ることができました>(のとじま水族館のホームページより引用)

水族館の側も展示のチャレンジをしているのですね。地元の漁師との協力で、定期的にリュウグウノツカイが搬入されている様子も、各地の水族館から発信がされています。

しかし、現状では残念ながら、生きたままのリュウグウノツカイを常設で展示している水族館はありません。どうしても見たいという場合は、発見が相次いでいる地域に出かけて、偶然の遭遇に賭けるしか方法はなさそうです。

ねらい目はやはり福井県を中心とした北陸などの日本海側。

例えば福井の小浜市には、目撃実績があるだけでなく、八百比丘尼の伝説にちなんだモニュメントが置かれたマーメイドテラスがあります。

マーメイドテラスimage by:photoAC

周囲には護岸が整備されていて、海をのぞき込むには最適の場所でもあります。隣接した場所には「人魚の浜」といわれる砂浜があり、少し内陸に行けば、八百比丘尼が800歳の生涯を終えたとされる洞穴もあります。

日本海に面した日本列島の海岸線はあまりにも長すぎるので、人魚伝説の足跡をたどりつつ福井の越前や小浜、敦賀の海岸に出かけて、運命的な出会いに賭けるといった旅の形が一番現実的かもしれませんね。


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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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