京都・京北に桜の新名所が誕生!宝泉寺「桜の公園」
新しい公園に200本の桜を植樹、庭師さんのお仕事に密着
本山から移した御室桜の成長について、「背が低いことで有名な仁和寺の御室桜よりも4倍も5倍も大きくなった」と話してくれるのは、先代住職の時代から庭師を務める正樹造園の加地さん。
仁和寺御用達の造園屋さんで修行をし、御室桜の世話を長らくされていました。御室桜の成長からも宝泉寺の土壌がとてもよいことがわかると教えてくださいました。
こちらが桜の公園になる宝泉寺の裏山。昨年2019年2月、約150本のしだれ桜や山桜を植え、そのわずか2カ月後の4月中旬、植樹した桜は見事、花を咲かせたのでした。
「樹木医のかたに通常、全体の2割程度は根付かないといわれていたんです。しかし、鹿による食害以外は、ほぼ100%の確率で少しずつですが花を咲かせてくれました。やっぱりものすごく土壌がええんやね。5~10年くらいしっかりと手入れしたらいい桜になると思います」と庭師さん。
すかさず、ご住職の尾池さんが「やっぱり庭師の腕がええからやね。今年は昨年よりもたくさん花が咲くと期待しています」と笑顔で話してくださいました。現在は裏山全体をネットで囲ったので獣害はゼロとのこと。
取材させていただいた2020年3月10日は、2回目の植樹作業の日。残り約50本の桜を植えます。実際に作業を見せていただきました。
こちらは一番小さいサイズの若木。ごぼうよりも細いのでは⁉と思うほど華奢でした。深さ30cmほどの穴を掘って固形肥料を入れ、桜の若木を入れて土をかぶせます。案外、穴が浅くてびっくり。
小さくて細い若木はとてもデリケート。傷つかないように布を巻いてから添え木をします。
もともと山に生息していた水苔を根元に敷き詰め、水分補給。お寺のかたや檀家さんたちの水やりの手間を少しでも省く工夫も考えています。
1年で約30cmずつ成長していくそうです。これを機に毎年成長を確かめに訪れようと思います。今のうちから楽しみでなりません!
植えたのは「御車返し」という一重と八重の花が咲く里桜。平安時代、後水尾天皇が花見を終えて帰路につく際、あまりの美しさに牛車を引き返したことが名の由来です。