モダンガールからギャルまで。日本人女性のファッション変遷が面白い
サブカルチャーに影響を受けた/平成時代
90年代に入ると、サブカルチャーに影響を受けた若者を中心に、個性豊かなファッションが発信されはじめます。原宿や渋谷が活気に満ちあふれ、まさにストリートカルチャーの黄金期といえるでしょう。
「ヒップホップ」に「グランジ」といった音楽から影響を受けたスタイルや、「裏原」「ロリータファッション」に「サイバー」…とにかくトレンドの変動が激しく、さまざまなファッションが誕生しました。
スニーカー人気が爆発的に高まり、「エアマックス狩り」などもニュースになった時代。ハイテクスニーカーや厚底はここ数年でまた人気が盛り返してきましたよね。
なかでもやはりインパクトがあったのは「ギャル」ファッションではないでしょうか。
ギャルの定義もさまざまで、中学生は「マゴギャル」女子高校生は「コギャル」、さらに年齢が上がると「お姉ギャル」などと呼ばれていました。
さらに、JESUS DIAMANTE(ジーザスディアマンテ)などの姫系ブランドを着こなす「姫ギャル」。ガングロメイクにハイトーンヘア、ALBA ROSA(アルバローザ)に身を包んだ「ガングロギャル」や「ヤマンバギャル」など、とにかく個性的な女の子が多くて楽しい時代に。
2000年代に入ると多くのギャルがきれいめファッションにシフトしていき、「白ギャル」化していきました。一方で、ギャルとは正反対のナチュラルガーリーな「森ガール」もたくさんいましたね。
トレンドがめまぐるしく変動していったのち、2014年ごろからメンズブランドを中心にユニセックスな「ノームコア」に落ち着く人も多くなっていきます。
ユニセックスなファッションへ/平成後期〜令和時代
従来のファッションは男女に分けられており、メンズはメンズ、レディースはレディースの服を選ぶことが当たり前のようになっていました。
しかし、平成の終わりから令和にかけては、自分自身に合ったものをジャンル問わず取り入れる傾向が強くなってきています。
たとえば、女性がメンズもののTシャツを着用したり、男性がレディース用のアイテムをコーディネートに取り入れたり。
このように好きなものを性別関係なく楽しんで着こなす、ユニセックスファッションが浸透し、より一層、男女の境界線が薄くなってきているのが令和時代の特徴ともいえます。
まだまだ令和は始まったばかりですが、このように平安時代から現代までのトレンドをたどってみると、最近のファッションは過去のリバイバルが多いことに気づきます。
「故を温ね新しきを知る」とのことわざもあるように、ファッションを極めるにも歴史を知っておくことが大切なのかもしれません。
過去のデザインは未来のクリエーションの基盤。これからも時代に沿ってアップデートされていくファッションを、そして自分自身の好きなおしゃれを楽しんでいくと、新しい時代をより一層満喫できるかもしれませんね。
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