モダンガールからギャルまで。日本人女性のファッション変遷が面白い
ファッションを楽しむ女性が急増/昭和時代
昭和時代に入っても街にあふれるモダンガールたち。1945年に太平洋戦争が終結すると、日本のストリートファッションは欧米の影響を大きく受けたエレガントなアメリカン・スタイルに注目しはじめます。
なかでも、当時クリスチャン・ディオールのオートクチュールコレクションで発表された「ニュールック」や「Aライン」は、日本に紹介されてまもなく流行に敏感な女性たちに広まっていきました。
なだらかなショルダーにキュッと絞られたウエスト、ヒップラインを強調するペプラムが印象的な「バージャケット」。女性ならではの美しいシルエットを強調するエレガントなスタイルに誰もが憧れました。
カラフルでとても可愛い印象のAラインワンピースは、通称「落下傘ドレス」とも呼ばれていたのだそう。女性らしいシルエットのAラインのワンピースは現代でも変わらず人気です。
また、レトロファッションといえば、60年代が思い浮かぶかたも多いのではないでしょうか。とにかくポップで華やかな印象の60年代ファッション。変わらずAラインも人気でしたが、ここへきて「ミニスカート」が大流行しました。
ミニスカートの火付け役となったのが、イギリス・ロンドンのファッションモデル「ツイッギー(Twiggy)」です。
細く長い手足でミニスカートを着こなす姿が脚光を浴び、彼女の訪日後は日本女性の9割がミニスカートを履くようになるほどの影響力があったのだとか。
かつてないミニ・ブームにファッション業界にも衝撃。
また、イヴ・サンローランが発表した「モンドリアンルック」なども流行し、カラフル旋風にさらに拍車がかかりました。いまでもミニスカートの可愛さは大正義ですよね。
70年代に入ると、パンタロンにタイダイや柄シャツを合わせる「ヒッピー」が流行。
平和を標榜して生まれたヒッピーのスタイルは、民族衣装を着想源にしたボヘミアンな着こなしと親和性が高いとして、一大ブームを築きあげました。
そして80年代はDCブランドが台頭し、国内で社会的なブームに。「DC」とは、デザイナーズ(Designer’s)&キャラクターズ(Character’s)の略で、なかでもコムデギャルソンやヨウジヤマモトの登場は、「黒の衝撃」や「東からの衝撃」などと話題になり、ファッション界に新旋風を引き起こしました。
両ブランドが提案する「黒」に魅了された若者たちがオールブラックのファッションに陶酔。全身黒ずくめであることから、「カラス族」などと呼ばれていたそうです。
また、バブリーでエッジの効いたデザインが流行った時代でもあります。代表的なのが、ボディコンや肩パッド入りのジャケットなどを取り入れた「コンサバスタイル」ですよね。
ほかにも「竹の子族」や「渋カジ」、「ニュートラ」に「オリーブ少女」など、時代を象徴するファッションがたくさん生まれました。
ここ数年、80年代を彷彿とさせるパワーショルダーや、太眉に赤リップといったメイクがリバイバルされたこともあり、いまなお当時のセンスが評価されています。