日本でお馴染みのあのチャイムが聞ける?イギリス旅行で必ず行くべき「ウェストミンスター宮殿」
日本でも日常的に話題となるイギリス。その首都ロンドンの風景といえば、何を思い浮かべますか?赤い2階建てのロンドンバス?バッキンガム宮殿?大英博物館でしょうか?
印象的な場所が多いロンドンですが、そのなかでも特に象徴的なのが荘厳な時計台を持ち、世界一美しい国会議事堂と言われる「ウェストミンスター宮殿」と、その隣に佇む「ウェストミンスター大寺院」、そして「マーガレット教会」でしょう。イギリスを旅するなら絶対に見ておきたいロンドンの象徴は、世界遺産にも登録されています。
今回は世界中誰もが知る風景であるウェストミンスター宮殿とその周辺の世界遺産に迫ってみましょう。
目次
これこそまさに憧れの景色「ウェストミンスター宮殿」

まだ河川が重要な交通の要所であった時代、イギリスのみならず世界中で最も交通量の多かった河川がロンドンの流れるテムズ川です。ロンドンの中心となるべく、または戦略上の要所としてテムズ川の辺りに建てられたのが「ウェストミンスター宮殿」です。
テムズ川からの流れも素晴らしいウェストミンスター宮殿はイギリス王室の歴史、ひいてはイギリス全体の歴史の中心となったと言っても過言ではない場所。11世紀、ノルマン人たちがイギリスに入ってきたそのころにこの場所に宮殿が建てられたとされています。
かつては王の居住地だった

中世の時代はこの場所にある宮殿は王の居住地でした。それと同時に議会場であったこともとても有名です。1600年台中期には、宗教の自由を求めて人々が立ち上がった清教徒革命(ピューリタン革命)の発端の場所になりました。
イギリスの建国から革命にいたるまで、何度も登場するとても重要な場所ということがわかりますね。
火事の災難をも乗り越え残るゴシック様式の美しい佇まい

このテムズ川沿いの場所が重要であったことに違いありませんが、ウェストミンスター宮殿自体は何度か火事に見舞われ、その都度修繕を重ねてきました。最も最近は1834年に発生した大火。この際に建物のほとんどが焼け落ち、そこから30年をかけて今の形が造られました。
現在の形は19世紀に流行していたゴシック・リバイバル様式となっています。ゴシック・リバイバル様式とは名前の通り、12世紀〜15世紀に流行したゴシック様式を見直そうとする流行のこと。高い塔を作り、縦の形を強調するのがゴシック様式の特徴なので、ウェストミンスター宮殿にもいくつも塔が建てられています。
今は「世界一美しい国会議事堂」

ゴシック・リバイバル様式で造られたウェストミンスター宮殿。その美しさから今現在も王室のものと言われても何の違和感もありませんが、実は今は国会議事堂として機能しています。あまりの美しさに、“世界一美しい”国会議事堂の異名も。
世界遺産に登録されたのは1987年のことです。イギリス国内で最も有名な世界遺産と言って良いでしょう。
ウェストミンスター宮殿の塔といえば「ビッグ・ベン」

ウェストミンスター宮殿自体より、世界中の人々が必ず知っているロンドンの象徴が宮殿の隣に建つ美しい時計台である「エリザベス・タワー」、通称「ビッグ・ベン」でしょう。
細やかな装飾が施され、正確に時を刻む美しい時計台はイギリスの象徴。メディアでも頻繁に取り上げられていますね。
このビッグ・ベンとは本当は時計台に取り付けられた鐘の名称ですが、今や時計台そのものを指す名前として使われています。
ビッグ・ベンの鐘の音に注目!

このビッグ・ベンでは毎日正午になると鐘が鳴らされます。この鐘の音は日本人なら「え?」と反応したくなるもの。
なんと、学校の授業の始まりと終わりを告げるチャイムと同じなのです。日本のチャイムがこのビッグ・ベンの鐘の音を元にしたとされています。懐かしい鐘の音を、まさかロンドンで耳にすることになろうとは!
ウェストミンスター宮殿の内部に入ってみよう

国会議事堂として使われているウェストミンスター宮殿ですが、内部見学も可能です。外観だけで満足せずに、イギリスを動かした場所に内部潜入してみましょう。
ガイド付きのツアーとオーディオガイドを付けて、自由に見て周るツアーが用意されています。入場できる人数に制限があり、日によっては行列ができているので事前に予約をして行くのをおすすめします。
ウェストミンスター宮殿内部の見学は順番待ちをしているところから始まります。ステンドグラスの美しいウェストミンスター・ホールはまず最初の見どころ。壮大な内部へと続く入り口ですね。
豪華絢爛なセントラル・ロビーや控室ももちろん本物。本当にエリザベス女王がスピーチをされる場所が見学できるなんてすごいと思いませんか。ビッグ・ベンが違った角度から見られるのも面白い経験になるはず。
ウェストミンスター寺院とは?

ウェストミンスター大寺院、ウェストミンスター・アビー、ウェストミンスター修道院などさまざまな呼ばれ方をしますが、すべて同じ建物。宮殿の裏側にある「ウェストミンスター寺院」です。
イギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式が行われた場所といえば、その由緒正しさがわかるでしょう。古くからイギリス王室と関わりの深い寺院で、戴冠式や葬儀も執り行われています。
14世紀末に完成し、その後様式を問わず改築・増築がなされて今の美しい姿になりました。ウェストミンスター寺院には、イギリスを代表する著名人たちが眠っていることでも有名。内部見学も可能で、日本語のオーディオガイドも用意されています。
平日の午前中、朝早くであれば並ばずに入場できる場合が多いですね。心配な方は事前にチケットの購入をしておきましょう。
聖マーガレット教会も見学しよう

ウェストミンスター寺院の敷地内にある小ぢんまりとした教会が「聖マーガレット教会」です。同じ敷地で、控えめな見た目なので寺院の一部かと思いがち。まったく別物で、同じく世界遺産に登録されているので見逃さないようにしましょう。
著名人の結婚式などが行われることもある聖マーガレット教会ですが、内部は静かで厳かな空間です。入場は無料で、観光地というよりは祈りの場といった雰囲気。静かに見学しましょう。
公式ショップでお土産を購入しよう

ウェストミンスター宮殿から道を挟んだ向かい側に公式のお土産物屋さんがあるので、旅の思い出に訪れてみては?ビッグ・ベンをモチーフにした雑貨や食器類、食品などが並んでいます。
ビッグ・ベンモチーフのグッズはどれもとてもかわいいので、お土産にぴったり。上院・下院をモチーフにしたグッズも充実しています。イギリスでのお土産探しに悩んだらぜひ。
テムズ川から見る景色も格別

ロンドンを訪れたら、乗るべきなのがテムズ川を走るクルーズ船です。このテムズ川から見るウェストミンスター宮殿の美しさは格別!全体を見渡すことができるので写真撮影にもピッタリです。
ウェストミンスター宮殿の直ぐ側にクルーズ船の乗り場があるのでそこから乗船してみては?船に乗らない場合は対岸の「ロンドン・アイ」から見るのがおすすめですよ。
イギリスらしい「アフタヌーンティークルーズ」もおすすめ
イギリスといえば紅茶の本場。いただきたいのがアフタヌーンティーですよね。せっかくならイギリスらしさを詰め込んだ、アフタヌーンティークルーズがおすすめです。
テムズ川を優雅に走る船の中で、ウェストミンスター宮殿を眺めながらお茶をいただくなんて、これ以上ない贅沢な体験ができます。人気のツアーなのであらかじめ予約しておきましょう。
ウェストミンスター宮殿エリアの治安は?

優雅で上品なイメージの強いイギリス。しかもそのイギリスの象徴ともいえるウェストミンスター宮殿周辺ですが、近年は決して治安の良い場所とは言えません。
移民問題、EU離脱などで揺れるイギリス内ではデモが頻繁に行われています。デモは時には抗争に繋がることも。デモ行進を見かけたら近づかないようにしましょう。
また、観光客を狙った窃盗なども頻繁に発生しています。手荷物には十分注意が必要ですので、美しい景色に見とれていても最低限の警戒は解かないようにしましょう。
ウェストミンスター宮殿への行き方は?

ウェストミンスター宮殿はロンドンのど真ん中にあるので、アクセスはとても簡単です。地下鉄も3つの線が「ウェストミンスター駅」に乗り入れているので、そこを目指しましょう。
駅を出るとすぐに到着しますよ。この駅も映画『ハリー・ポッター』のワンシーンが撮影されたロケ地としても知られています。
イギリス定番の世界遺産を訪れよう
イギリス旅行中には必ず訪れたいウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター大寺院および聖マーガレット教会をご紹介しました。
定番中の定番なので世界中から人々が集まるウェストミンスター宮殿。混雑は避けられませんが、それでも訪れる価値のある世界遺産です。イギリスを動かしてきたその場所へと出かけてみませんか。
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