都心から60分でアメリカへ。埼玉県入間市「ジョンソンタウン」散策
古きよき時代の、アメリカのオールドタウンが放つ独特の雰囲気に惹かれます。ハワイのオールドタウンや、アメリカ本土の片田舎にあるような小さな町の風景が、なぜか心地よく感じられるのは、きっと私だけではないはず。
オールドタウンとまではいきませんが、沖縄には「港川ステイツサイドタウン」をはじめ、アメリカの郊外にあるような町並みが残ります。
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毎回、沖縄旅ではアメリカンスポットめぐりも楽しみのひとつですが、実は沖縄まで行かずとも東京の近くにもおしゃれなアメリカンタウンがあるのをご存じでしょうか?
今回は、東京のお隣、埼玉県入間市にあるアメリカの古きよき時代を感じる「ジョンソンタウン」をご紹介しましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
西武池袋線入間市駅から徒歩約18分のアメリカンタウン
入間を走る国道463号の裏手の、なんてことはない住宅地の一角に、突如そこだけ完璧にアメリカの空気が漂う町並みが現れます。
米軍ハウスと呼ばれる平屋のアメリカン古民家が点在し、おしゃれな看板を掲げたショップやカフェが軒を連ね、葉を茂らせた木々が枝を伸ばして木陰を作り、それらをまるで額縁のように緑がいろどるのが「ジョンソンタウン」。
いつか映画のワンシーンで見たことがあるような風景に、訪れた人は「もしもし、ここはアメリカですか?」と尋ねたくなるに違いありません。
どうしてこんなところにアメリカンタウンが?と思いますが、入間はもともと米軍基地「ジョンソン基地」があった場所で、「ジョンソンタウン」はそんな歴史をくむ町なんです。
昭和の時代からいまに続く、ジョンソンタウンの歴史
1939(昭和14)年ごろ、入間に日本陸軍の基地ができたとき農園だったこの場所が隊員の住宅地へ提供され、50戸の日本家屋が建てられたことから、町の歴史は始まります。
戦後、陸軍基地が米軍によって管理されるようになると、さらに24戸の米軍ハウスが建てられ、それが現在の姿へとつながっているのです。
当時の日本人にとって、真っ白な壁の米軍ハウスがどれだけ眩しくきらびやかに映ったことかは想像にやさしいことですが、1978(昭和53)年に「ジョンソン基地」が返還されると、そんな米軍ハウスも次第に老朽化し取り壊しの道を辿ることに。
家屋の老朽化にともない町全体が荒廃していくことに歯止めをかけようと、1996(平成8)年に古くなった米軍ハウスを改修し、新しい町を作ろうという動きがスタートしました。
米軍ハウスの魅力に惹かれて移り住む人が増え、活気を取り戻したこの町は、いつしか「ジョンソンタウン」と呼ばれるように。現在、味のある米軍ハウスはクリエーターたちからも支持を集め、独自のカルチャーが息づく町として注目を集めています。