電車が走っているというなにげない日常の風景に、突然いるはずのない子ヤギが登場したことで日本中をびっくりさせたあのニュース。まだ記憶に新しい、というかたも多いのではないでしょうか。

急斜面をスイスイと移動している光景に、いつしか大ヒット映画『崖の上のポニョ』から連想され「ポニョ」「崖の上のヤギ」と呼ばれるようになった子ヤギ。

この度、なんと誰もが会える場所にやってくることになりました。そのあとどうなっていたのか、気になる動向を早速ご紹介します。

約3カ月の「崖の上生活」を経て、元気いっぱいに帰還！

もともと、千葉県・佐倉市に在住している志々目邦治さん（63）によって飼われていた、メスの子ヤギ「ポニョ」。2020年5月、高さ1mの柵を越えて逃げ出したことが、今回のびっくりニュースのはじまりでした。

懸命に市内が捜索されるなか、発見されたのはなんと、京成電鉄の走る線路沿いだったのです。

スイーツの「ワッフル」のように、デコボコとしたコンクリートで覆われていた京成電鉄側面の壁。急斜面であることや、多くの人が利用する電車の往来を止める訳にもいかず、すぐに捕獲することができない状態となっていました。

心配する人々をよそに、危険にしか見えない斜面を行ったり来たりと「暮らし」を楽しんでいるかのような日々を見せ始めた子ヤギ。いつしか「ポニョ」と呼ばれるようになり、見物のために訪れる人も徐々に増えていくなど、斜面への滞在は長引いていきました。

電車の往来に迷惑とならず、それでいて安全な捕獲方法が思案され、最終的にほかのヤギとともにエサや水を設置するという捕獲方法で、同年8月11日に無事保護された「ポニョ」。滞在期間はおよそ3カ月間という長期に及びました。

とても元気ながら、夏の暑い日々により若干の脱水症状が見られたこともあり、千葉県・睦沢町の「むつざわヤギ牧場」でしばらく過ごすこととなったポニョ。

崖での滞在期間中に多くの人の注目を集めたこともあり、飼い主の志々目さんから佐倉市へ譲渡されることとなりました。

「ポニョ」がこれからを過ごすことになったのは、佐倉市にある「佐倉草ぶえの丘」。自然豊かな環境のなかで、ポニーやリス、うさぎをはじめとした生きものたちとの触れ合いが楽しめる場所です。

新型コロナウイルスの影響で今年は中止となってしまったものの、ジャガイモなどの農作物の収穫体験や農産物の直売所、キャンプ場・バーベキュー場に加え、国内最大級の線路の長さを誇るミニ鉄道など、子どもたちにもたまらない体験がいっぱい。

さらに、貴重な品種を含め約1,050種ものバラが栽培されている「バラ園」も必見のエリア。2015年にはフランス・リヨンで行われている「世界バラ会連合 第17回世界大会」で「優良ガーデン表彰」を受賞するなど、世界的に高い評価を得ているバラ園です。

この「佐倉草ぶえの丘」にはヤギの飼育施設があり、8頭のヤギが暮らしています。「ポニョ」はここで、ほかのヤギたちと過ごせることになりました。すっかり定着した名前も、なんと本家・スタジオジブリから使用許可をもらえたとのこと。

線路脇で約3カ月間を過ごしたせいもあってか、人に慣れているという「ポニョ」。一般公開は8月29日午前10時より開始され、初日からリラックスしたようすで、エサやり体験のエサを食べていたそう。

逃走から崖の上の生活を経て、ついに新しい居場所を見つけた「ポニョ」。日本中を驚きや心配とともにほっこりとした気持ちで包んでくれた彼女に、お近くのかたはぜひ会いに行ってみてはいかがでしょうか。

• source:PR TIMES
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