東京のすぐ隣にある非日常。千葉県の絶景スポットをローカル線でめぐる
銚子電鉄で「犬吠埼」から太平洋を望む
こんな言い方は変かもしれませんが、銚子電鉄は全国的な知名度が高いローカル線ともいえます。赤字経営を逆さに取った自虐的な宣伝で知られていて、「まずい棒」なんて名前のスナックを駅で販売もしているそうです。
そうですと他人事のように書いたのは、私はそうした商品を購入することもなく、ただ1日乗車券を購入しただけで、この鉄道会社の経営立て直しにはほとんど貢献することがなかったからです。
千葉県最東端にある銚子までは東京駅からは2時間半ぐらいはかかります。古く江戸時代から醤油の生産で知られ、また日本有数の漁獲量を誇る漁港の町でもあります。
その銚子駅を起点とする銚子電鉄は終点の外川駅までわずか22分の短い旅程です。しかも、岬を半周してめぐるようなルートなので、始発駅と終点までの直線距離は約5kmしかありません。地元の人の足というよりも観光用の鉄道なのかもしれません。
岬をめぐると書きましたが、線路は海岸線からは少し距離があり、車窓から海が見えるわけではありません。むしろ、地元の街並みを縫って走る路面電車のような親密な雰囲気に包まれています。
銚子電鉄沿線の最大の観光スポットは「犬吠埼」でしょう。おしゃれな外観の犬吠駅からはゆっくり歩いても10分ぐらいの距離にあります。周辺の海岸にはホテルや水族館なども立ち並んでいますが、何といっても岬から太平洋を望む灯台が美しいです。
終着駅の外川も見逃すには惜しい駅です。懐かしいような古い町並みを10分ぐらい歩くと、江戸時代からの歴史を誇る外川漁港、そして人の気配がほとんどない海岸を見ることができます。
番外編:北総公団線・千葉ニュータウン中央駅
上に挙げたローカル線もさることながら、千葉県の真の底力だと私が感じるのは北総公団線の「千葉ニュータウン中央駅」です。
こちらは東京のベッドタウンと呼ばれることも多く、実際にそのような成り立ちで町ができ上がっているにもかかわらず、未だに日本昔ばなしに出てくるような風景がすぐ近くに見えることです。
千葉ニュータウン中央駅は日本の表玄関、成田空港から特急で約20分。そのまま東京まで1時間ほどで着く首都圏郊外の駅です。駅前には大規模マンションやショッピングセンターが立ち並び、住民のなかには都心へ通うビジネスマンも少なくありません。
しかしながら、その駅からわずか10分ほどジョギングすると、こんな風景が広がっています。これぞまさに日常に潜む非日常ではないでしょうか。ビバ、千葉県!
- image by:角谷剛
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