とりあえずビールはNG?外国人がビックリした日本の居酒屋文化
2020年10月1日から「Go To Eatキャンペーン」がはじまり、少しずつ活気が出てきた飲食業界。新型コロナウイルスの感染拡大以降、多くの飲食店が経営に不安を抱えていましたが、徐々に日常を取り戻しつつあります。
まだ完全に気を抜くことは許されませんが、仕事終わりに居酒屋で軽く一杯なんてこともできるようになってきたのはうれしいですよね。
実は、そんな「居酒屋」が好きなのは日本人だけではありません。食事がおいしくお酒も飲める居酒屋が好きな外国人は意外と多く、日本ならではの酒文化を楽しんでいるようです。
そこで今回は、日本に住む数名の外国人に「日本の居酒屋」についてインタビューを実施。居酒屋の好きなところや、母国とのお酒文化の違いなどたくさん質問してみました。さっそく、居酒屋で体験した驚きエピソードから聞いていきましょう。
「とりあえずビール!」って決めないで/スペイン出身
日本の宴会の始めに「とりあえずビールで」と頼むのは、もはや常套句ですよね。飲み会での最初の1杯をビールで乾杯をする風習がありますが、国によって乾杯文化は異なるので、外国の方と飲むときは気をつけなければいけません。
「日本の居酒屋に行くと、決まってはじめにみんなビールを飲んでいることに驚きました。
スペインでは各自ワインだったり他のお酒を頼むのが一般的なので、周りと合わせてビールを飲むという文化はありません。スペインではビールを昼間に飲むことが多いですね」(スペイン出身/日本在住歴2年半)
スペインは「シエスタ」と呼ばれる長い昼休みを取る習慣があり、昼間からビール片手にゆっくりと昼食を楽しむのが一般的なのだとか。お酒の飲み方に文化の違いが顕著に表れていますね。
飲み放題にして大丈夫なの?/ベルギー出身
また、多くの外国人から驚きの声が上がったのが、居酒屋の「飲み放題」システム。
「飲み放題があることにとても驚きました。アルコール度数が高い母国のビールに比べて、日本のビールは度数が低いので、私は一度にたくさんの量を飲まないと飲んだ気になりません。
でも飲み放題ならコスパが良くて最高。ベルギーの飲み屋で飲み放題なんてやったらお店が破産してしまいますよ。一緒に日本にきた友人もみんな驚いてました」(ベルギー出身/日本在住歴9年)
「飲み放題にとてもびっくり。地元アメリカではそんなお店絶対にないよ」(アメリカ出身/日本在住歴8カ月)
「もともとお酒の値段はそこまで高くないけど、飲み放題のプランがあるのはとても良心的だよね。ハッピーアワーでさらに安くしてくれるお店もあるし、大満足だよ」(ニュージーランド出身/日本在住歴1年半)
ヨーロッパでは「定額飲み放題」でのアルコール販売が罰金の対象となったり、NGとされていたりする国も多く、日本の飲み放題文化に驚くかたも少なくありません。そのためお酒が好きな外国人にとって、居酒屋飲み放題はまさに天国のよう。
日本の飲兵衛のみなさんは、海外に飲み放題がないことにショックを受けないでくださいね。
また、海外では深夜営業や朝までお店が開いているところもめずらしいのだとか。
アメリカ出身の男性からは、「母国では朝4時〜5時まで営業する店なんてないから新鮮だよ。自分で好きなようにアルコールを作ったりできるし、酒好きな自分にとっては日本が合っているかも」なんて声も。
酒税法により、日本で製造・販売されているビールのアルコール度数は20%未満までと定められていますが、スーパーやコンビニで販売されているビールは平均4.5~5.5%と割と低めの数値。
一方、海外のビールは日本ほど制限されていないため、かなり高い度数のビールも出回っています。
ちなみに、現在世界で最も度数が高いビールとして有名なスコットランド生まれの「Snake Venom(スネイクベノム)」の度数は、なんと67.5%!これなら飲み放題でなくても酔っぱらうことができますね。