まさにノスタルジック。情緒あふれる長野「渋温泉」で九湯めぐり体験
すべて源泉掛け流し!が当たり前。渋温泉の温泉力を味わい尽くす
温泉王国といわれる長野県でもまれな豊富な湯量と泉質が自慢の渋温泉。地面を掘ればすぐお湯が出てしまうというくらい源泉が数多く存在し、その数は40カ所以上といわれています。
そのため、なんとすべての旅館と外湯は100%源泉掛け流し!なんだそう。なんとも贅沢な話です。また、70〜96度という高温も渋温泉の特徴で、群馬県の草津温泉と並び、高温で名が知られる温泉でもあります。
しかも泉質もバラエティに富んでいるので、鉄分が多く褐色を帯びたものから白濁するもの、緑がかったもの、無色透明など、さまざまな湯を堪能できるというのも高スペック。
地中から湧き出たままの温泉をこれでもか、と味わいたい人にはぴったり。効能も神経痛から美肌まで多岐にわたるので、体調に合わせたお湯選びができるのもいいですね。
九湯めぐりでご利益祈願!
そんな渋温泉に出かけたら、はずせないのが「九湯めぐり」。地元の人が利用する9つの共同湯を、なんともありがたいことに宿泊者にも解放してくれているのです。
宿のチェックイン時に一緒に渡される共同温泉の鍵を持ち、石畳の通りを行ったり来たりしながら、あっちの湯こっちの湯と共同温泉をめぐるのが渋温泉のお楽しみ。それぞれ泉質も効能も異なるため、全部の湯を試してみたくなります。
通称「初湯」と呼ばれる一番湯は胃腸、「綿の湯」と呼ばれる「三番湯」は子宝の湯であるとともに、切り傷やおできにも効果が期待できるといわれています。
眼病に効く六番湯はその名も「目洗いの湯」。基本的に宿泊客オンリーとなっていますが、現在、九番湯である「渋大湯」のみ宿泊せずとも500円で入浴可能となっているそうです。
ちなみに古くからこの「九湯めぐり」は、九労(苦労)を流して念願成就と不老長寿のご利益があるといわれ、“厄除巡浴外湯めぐり”として祈願手ぬぐいにスタンプを押しながら全制覇目指し湯めぐりをする人の姿も、多く見かけます。
共同湯は6:00〜22:00の営業となっていますが、実際のところ1日で九湯すべてをめぐるのはかなり厳しいので、制覇を目指すなら2泊するのがおすすめです。
川沿いに掲げられた昭和な看板やレトロな卓球場、軒先で湯気をあげる温泉まんじゅう、信玄由来の温泉寺など、随所に侘び寂び感漂う渋温泉は、温泉好きはもちろん観光地としても見どころがいっぱい。
もともと外国人観光客にも人気が高く、大人から子どもまで、そして友達同士やカップル、ファミリーからひとり旅まで、誰と一緒に訪れてもそこに流れる和みの時間を楽しめる場所です。
古い木造建物を改築したドミトリー形式の宿やカフェなどもあり、古い街並みの中にも若者世代のカルチャーの息吹も感じられるので、これからの発展も含めて注目したいところ。何度でも再訪したくなる温泉ではないかなと思います。
近くには野猿が温泉に入っている姿を見られることで有名な「地獄谷野猿公苑」があり、少し足を伸ばせば志賀高原といったスキーリゾートもすぐ。電車でのアクセスが可能なことも嬉しいポイント。
長野電鉄長野線の終点となる湯田中駅からタクシーで5分、バスで7分です。
観光と温泉とを兼ねた週末旅にはぴったりな行き先なので、気になる人はとにかく一度お出かけください!
- 信州 渋温泉
- 公式サイト
- image by:小林繭
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