「恋の病」以外はすべて治す?最強すぎる湯治体験、群馬「草津温泉」の魅力
数ある共同温泉、どこを選ぶ?
地蔵の湯
数ある共同浴場のなかで個人的に気に入っているのが、地蔵源泉を引く「地蔵の湯」です。
湯畑から裏の小径を歩いて数分の場所にありますが、メインの喧騒とは離れた静かな立地のためかいつもわりと空いている印象。うっすらとした濁り湯で、湯もさほど熱くないので入りやすいんです。
- 地蔵の湯
- 群馬県吾妻郡草津町大字草津299
- 入浴料:無料
- 8:00~22:00(※午前中を中心に清掃時間アリ。清掃中は入浴不可)
- 詳細ページ
煮川乃湯
また、昔ながらの共同浴場の佇まいがフォトジェニックな「煮川乃湯」は、浴槽温度で草津イチと言われる激熱の湯。狭い階段を降りていくと、大人が3人も入ればいっぱいという狭い浴室があり、レトロ感満載な雰囲気もたまりません。
この激熱ピリピリの湯にはファンが多いと聞きますが、私はこれまで3回トライして、3回ともかけ湯だけして、あまりの熱さに全身を浴槽にひたすことができずに退散という有様でした。
次回、草津を訪れても懲りずにトライしたいと思っていますが、一番人気の「白旗の湯」でさえ、あまりの熱さにお風呂に入れない!と悶絶する観光客の姿をよく目にします。
そのため激熱湯に挑戦したい人は、まずはほかの共同浴場に入って草津の熱湯を体験してから「煮川乃湯」に行くことをおすすめします。
ちなみに、とにかく何度も何度も掛け湯をするうちに身体が慣れてくるので、熱い!と思っても諦めずに掛け湯を繰り返してから湯船に浸かるのがコツだと、共同浴場でご一緒した地元の方に教えてもらいました。確かにその通りです!
- 煮川乃湯
- 群馬県吾妻郡草津町草津583-1
温泉街からちょっと離れたところも含め、草津にはたくさんの共同浴場がありますが、基本的には共同浴場は住民の方々のためのもの。なかには住民専用の浴場もあり、一部をご厚意で観光客にも開放してくれていることをお忘れなく。
使用の際にはマナーはもちろんのこと、「もらい湯」の精神を持ち、“お邪魔します”“有難うございます”の気持ちをちゃんと言葉にしましょう。
- ※現在、新型コロナウイルス対策のため、一部の共同浴場は観光客の入浴が禁止されています。確認の上、守ってご利用ください。
一番のお気に入り湯は老舗「奈良屋」の湯
そこらかしこに数多の湯が点在する草津において、実際に入った温泉はほんの一握りに過ぎないのですが、これまで入った湯のなかからいま現在の一番のお気に入りを挙げるとしたら、明治から続く老舗旅館「奈良屋」の湯です。
湯畑のすぐそばにある「白旗源泉」を引く温泉旅館で、湯守がいる宿だけあり、とにかくその湯が驚くほどまろやか!
熱湯のイメージの草津ですが、「奈良屋」の湯は熱すぎることはなく、強酸性の湯であることを忘れてしまうくらい肌触りも柔らかなんです。
昔ながらの佇まいが美しい木の浴室の景観もあってか、本当にいつまでも浸かっていれる心地よさがすっかり気に入ってしまいました。チェックアウトが11時とゆっくりなのもポイントで、温泉ざんまいが可能。
草津に行ったら、この「奈良屋」の湯と共同浴場「白旗の湯」の湯の両方にぜひ浸かって、全身で草津の湯を堪能してみてほしいと思います。同じ源泉を利用しているというのに、肌触りや質感が全然違うことに驚きますよ。
もちろんどちらがいいとか悪いとかではなく、温泉の愉しみ方はこんなところにもありますよ、ということ。
品種やテロワールを愉しみ、熟成期間や、栓を開けてから空気に触れさせる時間の長さによってもどんどん味に変化が現れる、ワインのようなものとして見てみると、温泉の愉しみ方もぐっと深まりますから。
- 奈良屋
- 群馬県吾妻郡草津町草津396
- 0279-88-2311
- 公式サイト
ちなみに2021年2月18日に、群馬県草津町と草津町と群馬大学大学院の板橋教授が、草津温泉の湯畑源泉に新型コロナウイルスの感染力をなくす「不活化」させる効果があると報じたことをご存じでしょうか?(参考:上毛新聞)
草津町では早速湯畑のそばに手洗い所を設置することを決めたそうで、コロナ禍において、また新しい視点で再注目を集めそうです。とりあえず、そろそろ温泉で身体とココロの洗濯をしたいと考えているみなさま、緊急事態宣言解除後に「新しい生活様式」を守りつつ、草津温泉はいかがでしょうか。
- image by:小林繭
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- ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。