迷宮への入り口…?日本一のモグラ駅「土合駅」にグランピング施設が誕生

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2021/07/30

毎日たくさんの人が行き交う公共交通機関の駅。都市部に住んでいると、駅周辺は24時間明るく、静寂とは程遠い場所というイメージがあるかもしれません。

アクセスしやすく、分かりやすく、明るい。そんな通常の駅とは大きく異なる雰囲気を持ち、鉄道ファンの間で人気を集めているのが群馬県利根郡みなかみ町にあるJR上越線の「土合(どあい)駅」です。

通過するだけの駅ではなく、観光名所にもなっていたJR土合駅が2020年になんとグランピング施設をオープン!

駅とグランピングという新しい要素を見事に融合させた特別な駅への旅をご紹介していきます。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

JR土合駅とは?

image by:Kai Yin Wong/Shutterstock.com

新潟県と群馬県の県境、深い山間にあるのがJR土合駅です。夏には緑に、冬には雪に覆われる360度自然に囲まれた駅で乗降車する人も決して多くはありません。

駅にはつきもののコンビニもなければ自動改札口もない、それどころか駅員さんすらいない無人駅ですが「関東の駅100選」に選出されています。

その理由が、面白い駅の造り。土合駅は下り線のホームが地下深く、トンネルを抜けた先にあるのが特徴で、地上まで徒歩で約10分もかかることから「日本一のモグラ駅」と呼ばれているのです。

階段は462段!まるで異世界へ続く道

image by:Soramushi com/Shutterstock.com

下り線のホームから地上までは、薄暗いトンネルの中の階段を登って行きます。このトンネルが人気の秘密!

何てことはない普通のトンネルなのですが、明かりが少ないこと、先が見えないことが手伝ってまるで異世界へと続く雰囲気。


1日の平均利用者数が20人という少なさもあり、どれだけ進んでも誰にも会わないことが多いので、不安を感じずにはいられません。映画やゲームの世界に迷い込んだような感覚に襲われる改札へのトンネルが話題となり、土合駅自体を目的として訪れる人も少なくないのだとか。

階段の途中にはベンチも設けられているので休憩も可能です…が、水の滴る音しか聞こえない古いトンネルの中はなんとなく「早く脱出しなければ!」という気持ちになってしまいます。

決して廃墟ではなく、いまも使われている施設なのですが、廃墟マニアのかたや刺激を求めているかたにはとてもおすすめです。

2020年、駅にグランピング施設が誕生!

image by:Soramushi com/Shutterstock.com

この長い長い地下トンネルが人気の土合駅ですが、2020年から新たな施設が誕生しました。それが駅のすぐ隣に作られたグランピング施設「DOAI VILLAGE」です。

グランピングといえば「豪華なキャンプ」として注目大。ロッジに宿泊し食事を楽しみ、周囲の自然を堪能できるグランピングは、キャンプ初心者でも気軽に体験できることから人気を集めています。

自然に囲まれた無人駅、しかも長い地下へのトンネルがあるという環境とグランピングは一見関係のないもののように思えますが、このユニークな試みは想像を遥かに上回る人気で予約がいっぱいの状況が続いています。


どうして無人駅にグランピング施設が?

image by:photoAC

前代未聞のグランピングと無人駅というコラボレーションは、2020年の2月に実験が初められました。

少ない乗降車数、しかしながら維持コストはかかるという現実を打破するためにJR東日本とローカルビジネス運営会社のコラボレーションで生み出されたアイデアです。

土合駅は無人駅ではあるもののモグラ駅として有名で、周囲には温泉街谷川岳などの観光名所もあります。自然を満喫するために訪れるお客さんにとっても、土合駅でのグランピングはとても魅力的な施設というわけですね。

DOAI VILLAGEは駅務室から!

image by:PR TIMES

「DOAI VILLAGE」は土合駅の駅舎の一部、そして駅を出てすぐのエリアが利用されています。グランピングエリアへ入れるのはゲストだけになっているため、駅のすぐ側ということもまったく気になりません。

チェックインやチェックアウト、旅の楽しみの食事は駅舎内に作られたカフェを利用します。

かつて駅員さんが利用していた駅務室を改装して作られ、「駅茶mogura(えきっさモグラ)」と名付けられたカフェで、こちらが「DOAI VILLAGE」への入り口です。

この「駅茶mogura」自体も大きな魅力のひとつ。古い駅務室のようすがそのまま残っており、とてもレトロな雰囲気です。

かつてきっぷの売り買いがされたであろう席は、見事におしゃれなカウンター席に変身!駅員さんの帽子も飾られています。カフェに足を踏み入れた瞬間からその世界観にワクワクすること間違いなしです。

お泊りは丸いテント!

image by:PR TIMES

グランピングエリアへと足を進めると、目の前に現れるのが丸形の白いテントです。ちょうどモンゴルの「ゲル」のようなテントが宿泊施設です。

このテントは最新式のインスタントハウスで断熱性は抜群!ベッドのテント、お布団のテントがあり、大人2人で入っても十分にスペースがあります。もちろん電気も来ておりコンセントも完備です。

シャワーは共用となりますが、木製の通路で繋がっておりテントからすぐの場所にあるので不便さは感じません。テントから出るとすぐに大自然が広がっているにも関わらず、大きな不便はないのがグランピングの醍醐味です。

食後にサウナはいかが?

image by:PR TIMES

宿泊プランはすべて1泊2食付き。地元の食材を使ったお鍋やホットサンドなどが楽しめます。

食事は必要なものがそろえられており、それを自分たちで用意して食べるスタイルなので、キャンプに来たという気分もしっかり味わえますね。

お食事前後にぜひ利用したいのがアウトドアサウナです。サウナの本場、フィンランドではサウナを野外に設置して熱い、寒いを繰り返す健康法があるのだとか。それを見事に再現しています。

体をサウナで芯まで温めたら、冬の時期は雪景色のなかでクールダウン。これを繰り返すことで血液の循環が良くなり冷え性なども改善されるのだとか。こんなことができるサウナ、関東エリアではなかなか出会えませんよね。

  • DOAI VILLAGE
  • 群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽218-2
  • 公式サイト

谷川岳で大自然の絶景を楽しむ

image by:Shutterstock.com

せっかく訪れるのなら、谷川岳観光も一緒にめぐるのがおすすめです。日本百名山のひとつである谷川岳は、紅葉の名所として知られています。

土合駅から徒歩約20分ほどで谷川岳ロープウェイ乗り場に到着できるので、ぜひ足を伸ばしましょう。ロープウェイ乗り場への道なりも川や滝など自然散策ができます。

谷川岳ロープウェイは約10分間の空中散歩。たどり着くのは天神平駅です。ロープウェイの中から見えるのは、360度山の風景!紅葉の時期には、真っ赤に染まり言葉を失うほどの絶景が広がります。

天神平駅からは、さらにリフトに乗り換えて天神峠へと進むことも可能です。標高約1,570mの天神峠には展望台もあり、谷川岳の迫力満点の絶景がのぞめます。天気の良い日には遠く富士山の姿が見えることも!

おもしろスポットともいえる「土合駅」。流行のグランピング、そして絶景を楽しめる土合駅周辺はいま注目の場所です。自然のなかで味わうのんびりとした時間は、ほかのどんなスポットよりも大きな癒やしを与えてくれるはず。

土合駅でちょっとしたスリルを味わい、グランピングで体を整え、大自然の感動をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

  • image by:photoAC
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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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