若者の車離れはアメリカでも。ティーンたちが免許を欲しがらないのはナゼ?

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2021/10/01

インターネットとライドシェアの普及が車離れ現象を後押し?

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似たようなケースはティーンの子どもを持つ多くの友人たちからも聞きました。そのうちの1人は高校どころか大学を卒業するまで、ずっと運転免許を取得しなかったそうです。

大学の寮に住み、キャンパス内は自転車か徒歩で移動し、どこか遠くに出かけるときはウーバー(ライドシェア)を使うから、まったく問題ないといっていたとのこと。

親の立場からすると、子どもが車を運転しないことは経済的な面において大変助かります。車を買い与える必要がなくなるわけですし、自動車保険料が値上がりすることも避けられます。

無茶な運転をして事故を起こさないようにと心配することもありません。もっとも、それで一体どうやって社会生活を営むのだろう、自立心が足りないのではないか、と別の方向から親として心配の種はつきません。

別の同世代の友人は、いまの子どもたちは昔の私たちと違って、友人と遊ぶのに直接会う必要がないからだといっていました。

誰もが自分のスマホを持っていますので、テキストをやり取りできるし、SNSでコミュニケーションを取れば、それで十分に友人関係を保てるのだそうです。

自分がティーンだったころを思い浮かべると、この友人が唱える説も一理あるような気がします。あのころはインターネットや携帯電話は影も形もなく、家の固定電話は食堂と親の寝室にしかありませんでした。友人たちと内緒話をするには、外出して顔を合わせるしか方法はなかったのです。

その点、いまのティーンたちは自室のドアを閉めるだけで、親に知られずに誰とでもどんな話でもすることができます。あえて外に出かける必要はないのかもしれません。

でもなあ、ティーンって不純異性交遊とかって好きだよなあ、あれはネットじゃできないよなあ、と1人の人間としては思うのですが、もちろん親としてはわざわざ子どもにそれを勧めようとは思いません。


カリフォルニア州が始めた即物的な「年齢証明方法」

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運転免許証には「身分証明書(ID)」としての機能もあります。アメリカはいろいろな面で自由度が高い社会だと思いますが、なぜかアルコールの販売に関しては妙に厳格です。飲酒ができる年齢を21歳とし、それより若い人にはお酒を売ってくれません。

それも日本のコンビニでよくあるような「あなたは○○歳以上ですか?」といった質問に自己申告でパネルに回答するのではなく、ビール1本買うにしても、必ず対面販売で身分証明書の掲示を求められます。

「誰にでも」がルールらしく、50歳を過ぎた私ですら、スーパーのレジやレストランなどで「IDを見せてください」といわれることがよくあります。

販売員は運転免許証を覗き込んで生年月日を確認するわけですが、その手間を省くためか、あるいか確実性を高めるためか、カリフォルニア州では2010年から運転免許証の形を2つに分けました。

21歳以上の運転免許証は従来通りの横長に、未成年者の運転免許証を縦長にと変更したのです。これなら一目で区別がつきます。

そのようなわけで、カリフォルニア州内ではハタチになってもお酒を買うことが大変に難しくなりました。

そんなことに税金や手間をかけるより、他に取り締まるべきことはいくらでもあるだろうとは思うのですが、とにかくそうなのです。私はアメリカに住み始めてもう30年以上になりますが、なかなか面白い社会だなあと今でも感じることが多々あります。

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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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