【絶景】まるでアート作品の宝庫。水中写真家が描く海中ストーリー
本格的な秋の訪れを感じる今日この頃。日本国内では秋の絶景が広がり、季節によって四季折々の自然の景色を楽しむことができますが、海中ではその日その場所、ほんの一瞬しか出会えない奇跡のような瞬間があります。
そこで今回は、水中写真家・鍵井靖章さんが切り取った「絶景写真」をご紹介していきましょう。
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まだ出会えていない新しい海の顔を求めて
この水面の感じ悪くないですね…。
他人と違うものが強烈にほしいと思うことが最近多々ある。それはカスミアジの子ども。阿嘉島の海で映像撮影をしてるとき、特にサンゴの上に舞う無数のお魚たちを撮影しているとき、ただ撮影してるだけでは絵が単調になる。それはそれで美しい。
けど、そこにカスミアジの子どもたちがその群れに襲いかかることがある。そのときはその群れが大きく動き、みんなサンゴの中に飛び込み身を隠そうとする。青い海中で野生を鼓動を感じる瞬間。カスミアジの子どもたちと友だちになれたら。
例えば、10分間の映像の中に2〜3回はクライマックスが作れるなと…はい、今回は珍しく本気で思っています!
水中のあらゆる事象を撮影したい。癒しの海も震災の海も戦跡の海も。そんな思いがあり始めた海中美術展。水の中では私にとって、お魚も人形も関係ない。感情移入がしっかりとできる。
この海中美術展を初めて知った。自分のおもしろ…人間って不思議。さ、迷って迷って今日も海中で物語を描いてきます。
海の中は水深によって異なる表情を持っている。これまでにない景色を見つけたいと最初40mの深場でずっと徘徊していたけど、そんなに容易く幸運は訪れなかった。
何も撮影できないまま浮上を開始。太陽の光が燦々と届く水深20mの壁には、ソフトコーラルが美しく咲きキンギョハナダイが群れていた。
でももうその深度で撮影できる時間は限られていた。その日はここが一番華やかで撮影すべき場所だった。少しだけ撮影したけれど、納得の絵を得ることができずにすぐに船に向かって浮上を開始した。
先日海中美術展も終わり、いつも一緒にいてくれる仲間、そして、今回は遠くからもたくさんの仲間が集まってくれた。
これはもうお金とかを超えた幸せで、古座のダイビングセンターの人気ももちろんそうだし、また「鍵井がやってるなら」と来てくれた人には全力で応えたい。
仕事にはいろいろある。今回の海中美術展は、仲間たちと新しい世界をこじ開けて見つけて、その喜びを共有する。そんな仕事だった。いや仕事なんだけど、もっと別の意味を内包した本当に大切な時間だった。
- image by:鍵井靖章
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